皆さんは、 腰痛 と 腹痛 が同時に起こり、しばらくその場から動けなかったりしたご経験はありませんか。慢性的な腰痛をお持ちの方は、腰痛は腰痛、お腹が痛いのは食べ過ぎたせいかな、と別々のものと受け止めるのではないでしょうか。
ですが、もしかしたら病院へ行く必要のある病気のサインである可能性もありますので、この機会に当てはまる症状がないか確認してみてはいかがでしょうか。
腰痛と腹痛が一緒におきた!!いったい何の病気かな?
最も疑われる病気
腰とお腹は比較的近い場所にあるため、腰が痛いのか腰の痛みがお腹のほうまで響いているのか、またはその逆か、なかなかわかりにくいことも多いでしょう。
少しチクチクした痛みが治まらないようでしたら、「虫垂炎」の可能性があります。いわゆる「盲腸」です。腰痛と、腹痛がおへその周辺から右下の腹部にかけてみられます。ただし、ごくまれに左側に盲腸があるケースもありますので注意が必要です。
次に、中高年の方々に多い「心筋梗塞」が考えられます。主な症状は胸の痛みですが、腰痛と腹痛を伴うケースもあります。
強烈な腰の痛みを発症すると、そちらに気をとられて心臓の疾患と気づくのが遅れることもあります。最近は過度のストレスや疲れにより、30代でも心筋梗塞になる方がいらっしゃいます。
もう一つは、「腎臓・直腸」の病気です。この場合、左の下腹部に腹痛を感じるケースや、腹痛というよりはお腹に何かあるような違和感を覚えるケース、腰痛のほうがつらいというケースなどさまざまあるようです。
いずれの病気も初期に適切な治療を受ければ恐れることはありません。しかし、我慢して様子見をしていると例え虫垂炎でも重症化すると命に関わることがありますので、食べすぎの腹痛とは少し違うかもしれないと感じたら、その直感を信じて病院へ足を運びましょう。
比較的珍しい病気
腰痛と腹痛に加えて、下痢や吐き気を伴う場合はまず消化器系の疾患が疑われます。消化器系の不調による腹痛で、神経系統が圧迫されて腰痛を招いているのです。
「クローン病」は、日本では少ない病気ですが、今後は環境や食生活の変化により増加する可能性があります。この疾患は小腸や大腸をメインに消化管に炎症を起こし、潰瘍やびらんを生じる慢性の病気です。
「びらん」とは、皮ふや粘膜の表皮が欠損し、下部組織が露出してしまった状態です。いわゆる「ただれ」です。悪化して損傷が深くなると「潰瘍」とよばれます。
「潰瘍性大腸炎」は、遺伝的な原因が考えられています。大腸のいちばん内側の層にある粘膜にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。
症状は腰痛の他、下痢(下血があったりなかったりする)が続きます。遺伝に関する原因は、現時点では明らかになっていません。遺伝的なものと食生活などの環境要因が絡み合って発症すると考えられています。
女性特有の病気
生理でもないのに腰痛と腹痛が同時に起こったら、「子宮筋腫」の可能性があります。子宮の筋腫にできた良性の腫瘍のことです。よく誤解される方がいらっしゃいますが、ガンではありませんので、今日明日中にどうにかしなくてはというものではありません。
症状の個人差が激しく、症状が出るケースは腰痛、腹痛、下血、貧血、1日5、6回以上の頻尿などがみられます。症状が出ないケースは、本当に何も症状がない方もいらっしゃいます。
子宮筋腫より深刻なものに「卵巣腫瘍」があります。卵管が腫れた状態をいいます。おさらいすると、卵巣と子宮をつないでいるのが卵管です。卵巣の片側に発症するケースがほとんどですが、両側に発症することもあります。
症状は便秘、頻尿、出血、下腹部痛、痛などです。早めに治療を受けないと、妊娠や出産に影響を及ぼすこともあります。
たとえ健康に自信があったとしても、最悪の事態を想定して定期的に病院で診察を受ける用心深さは必要不可欠です。
まとめ
腰痛と腹痛が一緒におきた!!いったい何の病気かな?
最も疑われる病気
比較的珍しい病気
女性特有の病気