皆さんは アキレス腱 が 断裂 して苦しんでいる方を目の当たりにしたことはありますか。切れるときにはブチッ、バチッと周囲にも聞き取れる音がします。想像しただけでも痛そうです。
できれば一生断裂しないようにしたいものですが、特にスポーツをされる方は心の準備として予備知識をお持ちになられてはいかがでしょうか。
アキレス腱が断裂!!100%回復できる?
その瞬間は突然やってくる
アキレス腱はなぜ断裂するのでしょうか。体育の時間の準備体操で「アキレス腱伸ばし」というものがありますが、あれはいきなりふだんしない足の動きをして痛めないためです。子どもは日頃から動き回っているので、準備体操を少しサボっても大丈夫かもしれませんが大人は用心が必要です。
20代に入るとほかの身体能力とともにアキレス腱も老化が始まります。特に40代以上の方々が久しぶりにスポーツをするときは黄色信号です。ゴルフは肉離れ以上のケガの心配は滅多にありませんが、テニスは危険です。
学生の頃のようにジャンプスマッシュなどをするのは控えましょう。ジャンプの着地や踏み込み動作でバチッと来てしまう恐れがあります。
アキレス腱が断裂する原因は主に、伸ばしすぎ(過伸展)、下腿三頭筋(かたいさんとうきん)が強く収縮すること、外部から加わった直接的な力いわゆる直達(ちょくたつ)外力によるものがあげられます。
よく勘違いされやすい点として、アキレス腱が断裂するとその場に倒れこまざるを得ないというイメージをお持ちの方も少なからずいらっしゃいます。ですが実際には、断裂していても歩くことができますし足首を足底側に曲げることも可能です。ただ、つま先立ちはさすがにできません。
また、救急車を要請するほどのことでもありません。アイシングをして皮下血腫(ひかけっしゅ)を軽減し、足首を外固定します。
是が非でも当日中に病院へ行かなくてはならないことはありませんが、翌日や直近の平日に早めに整形外科へ診てもらいましょう。多くの場合、MRIやX線軟線撮影、超音波などの検査を行い診断します。
治療法は2つから選択
手術をするか保存療法にするか、医師やご家族あるいは指導コーチの方とよくよくお話し合いになってから決断することになります。
手術は、アキレス腱をつなぎ合わせるものです。アキレス腱縫合手術をするとスポーツ競技などへの復帰に長くかかるというデメリットがありますが、ご趣味の範囲内でのスポーツでしたら手術をしてゆっくり治すのも良いでしょう。
保存療法は軽度の断裂や部分分裂のケースで勧められます。状態としては、つま先を伸ばし底屈させたところでギプス固定します。ギプス固定をするとアキレス腱が固定されます。この後徐々に自然治癒力によって回復していきます。
スポーツ選手が絶対に大会に出場するのだと驚異的な回復力で歩行訓練をされているのをテレビなどでご覧になった方もいらっしゃることでしょう。再断裂率は手術2~3%、保存10~20%ほどです。選択の余地があるなら、ご自身のライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
リハビリと予防
ギプス固定はおおよそ3~6週間です。どなたでも気軽に取り組みやすいのが「水中歩行トレーニング」です。歩くだけで全身運動になりますし、浮力によって足関節やアキレス腱にかかる負荷は少なくて済みます。
せっかくの機会ですから、しなやかな筋肉とアキレス腱の組成を意識しながら地道に続けましょう。
また、できれば再断裂は避けたいものです。予防としてスポーツ前の準備運動、スポーツ後の柔軟体操を入念に行い無茶をしないことが大切です。今の体力、からだの柔軟性を自覚して受け入れると心身共に良好な状態になります。
まとめ
アキレス腱が断裂!!100%回復できる?
その瞬間は突然やってくる
治療法は2つから選択
リハビリと予防