足首の痛みということに関しても、直接的な原因がある場合とそうでない場合があります。また痛む場所によって、原因を特定できることもあります。原因を特定できれば、適切な治療を施して完治へと導くことは可能です。
代表的な疾患をもとに、 足首の痛み への対処法をご案内します。
足首の痛み、症状部位によるさまざまな疾患
足首の外側が痛いときに考えられる疾患
足首の外側が痛むときにまず考えられるのはねん挫、そして後脛骨筋腱機能不全(こうけいこつきんけんきのうふぜん)です。また足根洞症候群(そっこんどうしょうこうぐん)、腓骨腱鞘炎(ひこつけんしょうえん)という疾患により痛みを感じることもあります。
いずれも外的刺激やアクシデントにより引き起こされ、患部の弱体化、慢性化による炎症が大きな原因となって引き起こされます。
また先天的に、土踏まずの部分が極端に高いハイアーチと呼ばれる形状の足の方や、外反母趾、痛風、関節リウマチなども、足首の外側が痛むときの原因として考えられます。
足首の内側が痛いときに考えられる疾患
逆に足首の内側が痛む場合もあります。代表的な疾患としてあげられるのが、足根幹症候群(そくこんかんしょうこうぐん)です。足裏のしびれから始まり、やがて足首まで痛みが広がっていく疾患です。
また足首関節の腱鞘炎、さらにハイアーチや外反母趾、偏平足などは、足首のさまざまな動きに対してバランスを欠いた状態となりますので、足首の外側、内側を問わず痛みを引き起こす原因となります。痛みが激しい場合には、装具などによる矯正や、手術という洗濯も必要になります。
足首の疾患~後脛骨筋腱機能不全~
後脛骨筋腱機能不全(こうけいこつきんけんきのうふぜん)は、足首の内側に痛みを感じる疾患です。サイズの合わない靴を履きつづけたり、ランニングフォームのバランスやO脚などによる後脛骨筋腱の損傷が原因と言われています。
後脛骨筋腱とは、ふくらはぎの後ろから足裏の土踏まずまで伸びている筋腱です。繰り返し負荷がかかることにより部分断裂を起こすと、足裏が変形し扁平足へ、そして足首が腫れて痛みを感じるようになります。
症状が進行すると足首が内側に曲がり、やがて歩行に支障をきたしたりします。肥満体型の方、特に中高年の女性の発症率が高いのが特徴です。
治療はおもに保存療法で対処していきます。痛みと炎症に対しては、非ステロイド系の抗炎症剤の使用、足首や足裏の変形に対しては、サポーターや矯正用インソールなどの装具により保護固定して、矯正していきます。
これらの保存療法により効果が見られないときには手術をすることもあります。後脛骨筋腱の損傷した部分の除去と移植、変形した骨を削る骨切り術などが、主な手術内容になります。
足根幹症候群の原因と治療
足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)とは、足根管の中を通る後脛骨筋腱が何らかの理由で圧迫され、足裏にしびれを感じる病気です。足裏のしびれはやがて足首全体にまで行き渡り、痛みをともなうようになります。
足根管症候群を引き起こす要因としては、ガングリオンや下肢静脈瘤などがあげられます。ガングリオンとは、関節付近にできる良性の腫瘤です。下肢静脈瘤とは、足の静脈にブツブツができたようにところどころ膨らんでしまう病気です。
いずれも女性の方に発症事例の多い疾患です。また、サイズの合わない靴を履き続けることも、足根幹症候群を引き起こす要因のひとつです。したがって足根管症候群の治療は、まずその直接的な原因である靴のサイズの変更、ガングリオンや静脈瘤の存在を突き止めることから始まります。
痛みやしびれに対してはステロイド剤と局所麻酔薬の併用により対処していきます。症状がひどい場合、腫瘤を除去するための手術も施されます。
まとめ
足首の痛み、症状部位によるさまざまな疾患
足首の外側が痛いときに考えられる疾患
足首の内側が痛いときに考えられる疾患
足首の疾患~後脛骨筋腱機能不全~
足根幹症候群の原因と治療