私たちは、普段、足裏を気にすることなく過ごしています。しかし、“ 足裏が痛い ”と感じると痛みの苦痛だけでなく、日々の動作に影響し生活面で困ってきます。
そして、単なる神経痛か筋肉痛と軽くみていると、足の部分的な病気だけでなく、全身的な病気が隠れていることがあります。そこで、足裏の構造、痛みの原因、病気についてご説明いたします。
“足裏が痛い”と悩まされたことはありませんか!
足裏はどんな構造でしょうか
足裏は、立位になった時身体を支え衝撃を吸収します。また、心臓に抹消の血を送り返す役割があります。そのため、足裏は平らな状態ではなく、骨、筋肉、腱、関節が組み合って独特の形をしています。
5本の足趾は横のアーチ、母趾から踵へ伸びる内側の縦アーチ(土踏まず)、小趾から踵へ伸びる外側の縦アーチを形成しています。この3つのアーチによって足裏が成り立っています。
赤ちゃんのときはこのアーチがありません。8歳~9歳頃までに歩行、運動によって自然にできあがってきます。しかし、室内遊びが多いなど生活習慣によっては足裏が平なまま成長するケースがあります。
最近は、乗り物で移動し歩く機会が少ない人や運動不足の人が多くなっており、足裏のアーチがなくなってきています。
3つのアーチと関係している足の病気
横のアーチでは、足の趾を使わないために趾の筋肉が減少して開帳足という状態になります。開帳足になると、母趾と小趾の付け根の骨が押し出され痛みが生じます。これが外反母趾と内反小趾です。
また、足の中指と薬指の付け根に痛みや痺れがでてくるのが、モートン病です。内側の縦アーチでは、成長過程で足の筋肉や骨の発達が不十分で土踏まずが形成されなかったり、土踏まずがあったのに靴が合わないことや運動不足でなくなってしまったため、バランスの悪い歩き方になって痛みが生じます。これが偏平足です。
外側の縦アーチでは、小趾の付け根から踵までつながっている腱が炎症を起こすことで痛みが生じます。
部分的な足の病気と原因
部分的な足の病気では、足底筋膜炎、魚の目(正式名称は鶏眼)、水虫があります。足底筋膜炎は、足趾の付け根から踵まで広がっている薄い足底筋膜の断裂や炎症によって、土踏まずや踵に痛みがでてきます。立ち仕事や運動で足を酷使した場合に起こります。
足の皮膚に起こるものとしては魚の目があります。魚の目は、魚の目のように見えるところからきていますが、足の裏の皮膚の一部に強い圧力が加わることで起きやすくなります。皮膚が肥厚するタコとの違いは、魚の目は真ん中に芯があり、この芯が深くなって神経を圧迫し痛みが起こります。
水虫は、白癬菌が足裏の角質層に感染して起こります。痛みとかゆみがあります。高温多湿を好むので足の蒸れは水虫を悪化させます。
全身的な足の病気と原因
全身的な足の病気は、痛風と糖尿病からくるものがあります。痛風は、食品や体内にあるプリン体が分解される時尿酸が排出され、尿酸が過剰に体内に蓄積されることで起こります。
通常は尿に排泄されるので体内には正常範囲の量でとどまっていますが、プリン体を過剰に摂りすぎると尿酸が体内に蓄積し、結晶化して足の関節に沈着します。尿酸の結晶を白血球が異物として攻撃し強い痛みの発作を起こします。
糖尿病は高血糖の状態が続くことで合併症を起こす病気です。身体各部の動脈硬化、腎症、網膜症などを引き起こしてきます。
糖尿病の初期症状は気づきにくいですが、初期段階では足の痺れ、感覚異常、痛みがあらわれます。手足の血行が悪くなり、重症化すると壊疽で手足の切断に至ることがあります。
まとめ
足裏が痛い”と悩まされたことはありませんか!
足裏はどんな構造でしょうか
3つのアーチと関係している足の病気
部分的な足の病気と原因
全身的な足の病気と原因