朝起きたら足が痛いというより足裏がこむら返りのように痛かったり、歩き疲れたわけでもないのに 足裏の痛み に気をとられることはありませんか。
就寝前にもみほぐすなどしても一向に改善せず、腰痛や肩こりと同じように皆ガマンしていることなのだとあきらめる前に、病症かどうか確認してみましょう。
足裏の痛みは異常事態のサイン?
心身の疲れのあらわれ
偏平足でも外反母趾でもなく、いたって健康であるという方は「足底筋膜炎」の可能性を検討しましょう。足底の筋肉の膜が炎症している状態です。足の付け根からかかとの骨まで張っている、膜のように薄い腱があります。
この部分が炎症したり、筋膜の一部に断裂が起きたりすると足の裏に痛みが走ります。40代以上の方々が発症しやすいですが、アスリートや長時間の立ち仕事をする方は年代を問わずなりやすい傾向があります。
原因は靴が合っていない、歩きすぎ、下半身(とくに膝や足)が弱い、体重の増加、そして老化による筋力の衰えなどがあげられます。
治療法は現在のところ、即効性のあるものは確立されていません。自然治癒が大半を占めていますので、回復の妨げにならないように生活習慣を変える必要があります。
靴は立ったり歩いたりするのが楽なものを選び、デザイン性よりも機能性を重視しましょう。
いきなり歩きすぎたあとは、お風呂でしっかり温まり足裏をマッサージします。オーソドックスすぎてやる気が出ないと言わずに、試してみてください。健康は日々の積み重ねで手に入れられるのです。
不自然な歩行の強制
通常ひとは、自分が楽だと感じる歩き方を知らず知らずしているものですが、それが足裏にも適しているとは限りません。「外反母趾」は女性に多いというのは一昔前の話です。男性でも先の尖った革靴やブーツを履く機会が増えているため、他人事ではないのです。
常に一歩一歩に気を配りながら歩くことはありませんが、全くの無頓着でも近い将来後悔するかもしれません。足をよく観察して、親指が小指側へと変形していないか、親指の付け根あたりが腫れ上がって赤くなっていないかチェックしましょう。
当てはまる場合は外反母趾である可能性が極めて高いです。外反母趾が原因のすべてではないにしても、頭痛や腰痛、肩こりや膝下の痛みといった症状が出ます。
原因はハイヒールやサンダル、先の尖った靴にあることが多いですが、サイズの合っていない靴も変に力を入れて歩くことになりますので、足のアーチのバランスが崩れます。
治療は第一に歩き方の矯正です。外反母趾の患者さんの多くは地面と足の裏を平行に歩いています。そうではなく、つま先→かかとの順に下ろして颯爽と歩くのです。
もう一つは運動です。運動不足の方々は足の筋肉が足裏まで低下しています。ご自宅で1日5分ほど踏み台昇降をするのが手軽でおすすめです。
悪化すると手術が必要になることもありますので、早期発見・早期治療が鉄則です。
偶然と運動不足
「偏平足」はもはや花粉症のようなもので、心配するほどでもないのではないかと楽観できるほど甘いものではありません。今は支障がなくても土踏まずがないというのは、すでに歩き方にクセがみられたり、転倒しやすかったり疲れやすかったりが加齢と共に深刻になってきます。
ただし偏平足は先天性と後天性があり、前者は保護者らが気をつけていても骨や筋肉の発達が上手くいかずに成長して気づいたら偏平足になっていた、というケースもあります。
後者は成長過程で形成されていた土踏まずが、靴やハイヒールをガマンして履いていたり、慢性的な運動不足によって消失してしまうケースです。明らかに偏平足でも、痛みのない患者さんもいらっしゃいますが血液循環の悪化によって冷えやむくみに悩まされていたりします。
それらが偏平足のせいと気づくまで何十年もかかる患者さんも珍しくありません。土踏まずは再生可能ですから、面倒くさがらずに行儀の許される範囲で足の指でモノをつかむなどのストレッチをしたり、縄跳びやウォーキングを続けると痛みもおさまり土踏まずも形成されてきます。
まとめ
足裏の痛みは異常事態のサイン?
心身の疲れのあらわれ
不自然な歩行の強制
偶然と運動不足