皆さんは「 頭痛い 」けれど熱はない、「 吐き気 」はあるときの自己診断はいかがなものになるでしょうか。「こういう風邪なのだろう」、「食べすぎかな」などと気にしない方向に持っていく方が多いかもしれませんが、手術が必要な病気の症状の可能性もあります。
自他ともに決して軽んじることはできないのです。
気づかぬうちに発症?頭痛いのと吐き気を伴う病
頭の病気は命取りに
発熱以外の頭痛に悩まされた経験のない方はピンとこないかもしれませんが、頭痛と吐き気を伴う病気は身近なものばかりです。
「慢性硬膜下出血」は、小さいお子さんからご高齢の方まで気をつけなければなりません。転倒などで頭を打ちつけたりすると、翌日以降あるいは2、3ヶ月経ってから発症することもあります。風邪でもないのに頭痛や吐き気の症状が治まらない場合は早めに病院へ行ったほうが良いでしょう。きちんと治療を受ければ完治しないことは希少です。
「くも膜下出血」は脳内血管の動脈瘤が破裂することで生じます。ひとりでいるときに頭痛やおう吐、意識障害や言語障害などの症状が突然あらわれると、かなり大変です。
いざというときの対処法を元気なうちにシミュレーションしておきましょう。「脳炎」や「髄膜炎」も頭痛や吐き気を伴います。風邪をこじらせて発症するケースも多くみられますし、風邪を甘くみてはなりません。体力の弱いお子さんやご高齢の方は特に要注意です。
脳炎は死亡することもありますし、髄膜炎は後遺症としてまひなどが残ってしまうと大変です。「偏頭痛」は片方のみの頭痛と吐き気に四六時中悩まされるような症状です。
ドラッグストアや病院の薬は効果があったりなかったりします。ストレスと関係があるので、ストレス因子を減らす努力を気楽に始めてみましょう。
嗜好が原因で首を絞めている
お酒は百薬の長ともいいますが、たしなみ方にもよりますし煙草は1日1本でも吸わないに越したことはありません。2つともかなりオーバー気味と自覚している方は、いつ頭痛や吐き気に襲われても不思議ではありません。
毎日のように2日酔いのような状態が続けば、食道や胃腸も荒れてしまいますし、自律神経も乱れっぱなしです。そこに煙草の負担も加われば、からだは悲鳴をあげる余力もないかもしれません。
お酒も煙草も「アセトアルデヒド」という有害物質が含まれているので、ただちに両方とも止めるのが賢明です。せめて煙草の量を減らすことができれば、頭痛と吐き気もいくぶん治まるかもしれません。
日頃のストレスを発散する手段はいくらでも他にあります。健康的で経済的な嗜好をみつけてください。
気づいたときは少々遅い症状
「高血圧」というと中高年の男性に多いと思われがちですが、女性の患者さんも多くいらっしゃいますし、食生活の欧米化が進んだことにより低年齢化が懸念されています。
体質などで高血圧気味の方は別として、健康な皆さんも油断して塩分高めの食事をし続けるとみりみるうちに血圧は上昇します。頭痛や吐き気などがあるのは高血圧の中でもかなり危険な状態です。
またはおう吐はあるものの頭痛や吐き気はないという患者さんもみられます。これらは高血圧とは無関係と考えたくもなるかもしれませんが、高血圧になっている時点でいつ何が起こっても来るべくしてきたことです。
脳梗塞やくも膜下出血の原因にもなりますので、「少し血圧が高い以外は至って健康」と楽観してはなりません。目の病気である「緑内障」は、治療によって元通りに治ることは現在のところほぼ不可能です。
頭痛や吐き気がしたからといってまず眼科に行ってみようと思い立つ方は少ないでしょうが、角膜や眼球も加齢とともに傷ついて圧力が高まります。
皆が皆、緑内障を発症するわけではありませんが、少しでもみえにくさを感じたり疲れやすくなったと感じたら、目薬をもらいに行くつもりで眼科へ検診に行くのも良い心がけです。
まとめ
気づかぬうちに発症?頭痛いのと吐き気を伴う病
頭の病気は命取りに
嗜好が原因で首を絞めている
気づいたときは少々遅い病状