バネ指 を発症された皆さんは、治療しても本当に元に戻るのか半信半疑の面もあるかと思われます。ご自身でもスムーズかつ繊細な指の動きを取り戻すのは大変そうだとイメージができてしまい、意欲が失われてしまうことがあります。
頑張った先のゴールがみえるように 治療 の工程を確認してみましょう。
完治するバネ指の治療とは
まずは保存療法
バネ指になる方々は、まず手を酷使しています。原因はほかにも関節リウマチや結核、細菌感染などがありますが、いちばんは手の使いすぎによる疲労です。ですから、手を休ませつつ治療を受けることになります。
運動療法は、洗面器にお湯を張ってその中でパーグーチョキなどを繰り返す方法がよく施されます。2秒に1つの動作をするくらいのスローペースで行うと、指の曲げ伸ばしが楽になってきます。この治療はご自宅でもできますが、独断ではなく必ず医師の指示に従ってください。
薬物療法は、ステロイド注射が有名です。炎症を起こしている指に注射しますが、効果は大きく長時間持続します。またロキソニン、ボルタレンなどの非ステロイド系の消炎鎮痛剤(NSAID)や最先端のレーザー治療から、湿布を貼るというオーソドックスな方法もあります。
いずれも体質に合わないと悪化してしまいます。レーザーや湿布の場合は、違和感を覚えた時点で中止すればおおごとになることは稀ですが、消炎鎮痛剤は別格です。ロキソニンもボルタレンも副作用により胃潰瘍を合併する恐れがあります。
したがって胃腸薬や抗潰瘍薬などと合わせて処方されてクスリ漬けの生活になります。5年、10年とあっという間に長期間服用している間に少しずつ腎機能低下などが進行します。
ついには血液透析が必要となることもあり、出費がかさんで何も良いことはありません。ですから、確かに医師の指示に従うことも必要ですが医師から何も言ってこない場合は、薬の減量や休薬を申し出る気概も持たなくては寿命が縮むこともあるのです。
短時間の手術
5年、10年は長すぎますが、保存療法で症状の改善がみられない場合は手術となります。
手術は成人の方は入院せずに局所麻酔で30分ほどで終了します。小児性の場合は6~7才くらいまでに自然治癒するのが通常ですが、回復しない場合は3日ほど入院して全身麻酔で手術を受けることになります。
バネ指の手術は大きく2通りあります。「腱鞘切開手術」と「内視鏡(関節鏡)手術」です。前者は従来型であり皮ふを切開して腱鞘の癒着を直接取り除きます。後者は近年広まりつつありますが、よほど経験豊富な医師でなければリスクのほうが高くつきます。
どちらの術式を選ぶか、また手術をするかどうかは基本的に患者さんご自身やご家族のお気持ちが尊重されます。症状のレベルからして手術が一般的だとしても、患者さんが手術はまだしたくないということであれば、もうしばらく保存療法を続けることもできます。
長めのリハビリ
手術をして1、2週間で包帯を取ったら自由に手が動かせるようになっているということではありません。体調に問題がないようであれば、手術の翌日からリハビリを受けることができます。
歩行訓練のリハビリと比べれば手のリハビリは体力の消耗は少ないですが、思い通りに動かないストレスが指先への自傷行為につながるケースがあります。
切開部分が塞がるまではごく軽い指の運動を行います。あまり根を詰めずに、できないことはどんどん人に頼って、みんなが優しくてラッキーくらいの気持ちで気長に過ごすのが理想です。不甲斐ない自分にイライラしていると、自律神経や末梢神経も乱れて指先に血液が届きにくくなります。
3ヶ月もすればパーフェクトな指の屈曲動作ができるようになりますので、その期間中に治ってからの手を使い過ぎない生活のシミュレーションをしておくと良いでしょう。
まとめ
完治するバネ指の治療とは?
まずは保存療法
短時間の手術
長めのリハビリ