指の曲げ伸ばしがうまくいかず、動かす際にばねのようにパツン!とばねがはじけるような衝撃や痛みがある場合、それはばね指の可能性があります。ばね指の多くは女性におこるといわれています。 ばね指とは 何なのか、またなぜ女性によくおこるのでしょうか。
さらに、治療法や予防法はあるのかなど、詳しくご説明します。
ばね指とは?怪我や治療法の実態!
指の曲げ伸ばしの実態
まずは指の構造を説明します。指は5本あるうち親指だけがほかの指と少し違った構造になっています。とはいっても、指の曲げ伸ばしに関係する構造は5本の指すべて同じですので、今回はひとつの説明をします。
手の指を動かす場合には、指の腱を覆っている“滑膜性腱鞘腱”と滑膜性腱鞘腱が通過するトンネルのような“靭帯性腱鞘”の2つが重要になります。配置のイメージとしては指の腹側に存在しています。
ばね指とは?
ばね指とは、指の曲げ伸ばしがスムーズにいかず、指を伸ばすときにばねのようにパチンと引っ掛かりを感じるような状態になります。特に女性に多くみられる症状であり、手先を使うことが多い方になりやすいといわれています。
ひどい場合には指を曲げた状態のまま戻らなくなってしまい、反対の手で戻さなくてはならず、戻すときには激痛を感じる場合もあるといわれています。
ばね指の実態
ばね指は、滑膜性腱鞘腱が炎症を起こしてしまうことによっておこります。普段の状態では靭帯性腱鞘のなかを滑膜性腱鞘腱がスムーズに行き来しています。しかし、炎症をおこしてしまうと、滑膜性腱鞘腱が腫れあがり靭帯性腱鞘をうまく通過できなくなります。
このとき指のなかでは、靭帯性腱鞘がたくし上げられている状態になっています。これを無理やり通過させると、たわんでいたストレスから一気に開放されるため、バネがはじけ飛んだ状態になります。
どうしてばね指になるの?
ばね指は滑膜性腱鞘腱の炎症が原因ですが、この炎症は主に指の使い過ぎによりおこります。指を動かすと靭帯性腱鞘と滑膜性腱鞘腱の間に摩擦が生じます。過度な摩擦が炎症の引き金となるのです。
また、血流の減少により、滑膜性腱鞘腱が狭くなり、これ自体や覆われている腱が緊張状態になり、摩擦がおこりやすくなるといわれています。
女性の場合、妊娠や出産、加齢などによりホルモンバランスが崩れやすくなり、血流が悪化しやすくなります。このため、女性にばね指の症状が出やすいということになります。
また、関節リウマチや結核、糖尿病、細菌感染などの病気や人工透析が原因となって症状が出現する場合もあるため、これらに当てはまる方はより注意が必要です。
ばね指になってしまったらどうする?
ばね指になってしまうと、治療が必要です。治療には保存療法と手術療法があります。保存療法は基本的には軽傷の際に用いられます。
保存療法では、安静を第一とし、アイシングなどの治療をおこないます。安静が難しい場合には、補装具を装着し、指がなるべく動かない状態を作ります。これらの治療だけでは痛みがひかない場合には、ステロイド注射をおこなうことで炎症を改善します。
保存療法では治癒が見込めない場合などは手術療の適応になります。基本的には靭帯性腱鞘の切開をおこない、治癒させます。
これらの治療法は、ご自身の状況や怪我の状態などを病院の医師と相談し、決断することをおすすめします。
ばね指は予防できる!
ばね指は予防をすることができます。大きな予防法としては、手を酷使しないことです。ただ、仕事上、手を酷使せざるをえない方もいらっしゃると思います。
そういった方は、作業の合間に少し休憩をはさむことや、血流が滞らないためにもストレッチをおこないましょう。また、作業が終わった後に炎症を抑えるためにもアイシングをおすすめします。
まとめ
ばね指とは?怪我や治療法の実態!
指の曲げ伸ばしの実態
ばね指とは
ばね指の実態
どうしてばね指になるの?
ばね指になってしまったらどうする?
ばね指は予防できる!