「 鎮痛剤 」は頭痛や歯痛、生理痛で誰もが一度は服用したことがあると思います。薬局で購入できる身近な薬ですので比較的安易に服用してしまいがちですが、誤った服用方法で思わぬ副作用がでてしまう危険もあるので注意が必要です。
身近な薬「鎮痛剤」の素朴な疑問
鎮痛剤を服用するタイミング
「痛みが出そうな時」、「痛みが出始めた時」、「痛みに耐えられなくなった時」、どのタイミングで鎮痛剤を服用しますか?薬にはなるべく頼りたくないと思うばかりに「痛みに耐えられなくなった時」に服用する方も多いかもしれません。
しかし鎮痛剤は痛みがピークに達したときに服用すると効きはじめるまでに時間がかかってしまいます。痛くなりそうだと感じたらなるべく早めに服用することで鎮痛剤の効果がより発揮されます。
鎮痛剤が効かないとき
鎮痛剤を早めに服用しても痛みが出てしまうこともあります。また服用直後は痛みが治まっても1~2時間で再発してしまうこともあります。このような時は鎮痛剤の飲み足しをしたくなります。
しかし薬には効き目と安全性による「適量」が定められています。定められた量より多く服用したり、間隔をあけずに飲み足すことは危険な副作用がでる可能性があります。市販の鎮痛剤が効かないからといってすぐに別の鎮痛剤を服用するのは危険です。
適量で治まらない痛みの場合、薬が症状に適していないかもしれませんし別の原因が隠れているかもしれません。自己判断はせずに医師の診察を受け、自分に合った薬を処方してもらうようにしましょう。
鎮痛剤が体に与える影響
鎮痛薬は手軽に購入できる薬ですが、体に影響を与えやすい成分も含まれるので注意が必要です。慢性的な痛みを抑えるために常用していると、鎮痛剤が原因で薬剤乱用性頭痛や胃炎を発症することもあります。
薬剤乱用性頭痛はその名の通り薬の飲み過ぎによりおこる頭痛です。月に10日以上、頭痛で鎮痛剤を服用している場合や薬をいくら服用しても頭痛が以前よりひどくなってきたといった症状があるときは使用を控えた方がいいかもしれません。
胃炎については鎮痛剤が胃粘膜の防御機能を低下させ、胃の粘膜が胃酸で溶けてびらん性胃炎を発症します。病院で鎮痛剤を処方される場合は胃薬も一緒に出されることが多いですが、市販の鎮痛剤を自分で服用する場合は特に注意が必要です。
鎮痛剤は痛みを抑えてくれますが病気の原因を治療できるわけではありません。痛みを抑えても他の病気が体の中で悪化している場合もあるので、常用して服用しなければならないほどの痛みがある場合はすぐに医師の診察を受けましょう。
市販の鎮痛剤と病院で処方される鎮痛剤の違い
薬には薬局で買える市販薬と医師から処方してもらう処方薬があります。どちらも同様の成分が使われていますが、市販薬の方が誰もが手軽に買える分だけ効き目がおだやかにできています。
市販の鎮痛剤を服用しても効かないような痛みの場合、医師の診察を受ければ強い効き目の鎮痛剤を処方してもらえることもあります。
最近では処方薬の鎮痛剤だった「ロキソニン」のように、有効性・安全性の面で多くの実績が蓄積されていると承認されて店頭で販売されている薬もあります。強い薬には強い副作用の可能性もあるので用法容量を間違わないように注意が必要です。
鎮痛剤の服用方法
鎮痛剤には解熱作用の成分も含まれていますので、風邪薬と一緒に飲服用してはいけません。同じ成分の薬が重複してしまいクラクラしたりめまいといった副作用が出る可能性があります。
また錠剤表面のコーティングには溶ける時間などさまざまな工夫がされていますので、割ったり砕いたりしてはいけません。鎮痛剤はたくさんの水かお湯で飲むと薬が十分に溶けてしっかり吸収され、効き目もよくなります。
空腹状態で飲むと胃に負担がかかりますので、できれば食後すぐに飲むことが望ましいです。どうしても空腹時に鎮痛剤を飲む場合は、牛乳を先に飲んでおくと脂質やタンパク質が胃粘膜に付着してくれるので胃の保護に役立ちます。
鎮痛剤を飲む際は処方箋や注意書きをしっかり守って正しく服用しましょう。
まとめ
身近な薬「鎮痛剤」の素朴な疑問
鎮痛剤を服用するタイミング
鎮痛剤が効かないとき
鎮痛剤が体に与える影響
市販の鎮痛剤と病院で処方される鎮痛剤の違い
鎮痛剤の服用方法