特にお仕事をされている方は、発熱や生理痛などを緩和するために鎮痛剤のお世話になることが多いかと思われますが、かえって症状が悪化したような気がするご経験はありませんか。
その場合、元々の病状が悪化したのではなく 鎮痛剤 の 副作用 によってつらくなった可能性が高いといえます。違法薬物などではなくとも、薬には必ず人体に悪影響を及ぼす毒が含まれています。
自己防衛として基礎知識を身につけておくことは必要ではないでしょうか。
鎮痛剤の副作用を理解して身を守る
解熱鎮痛剤とは
鎮痛剤には「解熱鎮痛剤」と「消炎鎮痛剤」があります。
解熱鎮痛剤は頭痛薬、のど痛み、捻挫、生理痛など身体内部から発症した病状に用いられます。
消炎鎮痛剤は、外部的な要因たとえば腰痛、肩こり、スポーツをして筋肉痛になった、日焼けが痛い、擦り傷が痛いなどの症状の際に使用します。
解熱鎮痛剤は、脳の体温調整機能に働きかけて発熱を抑えたり、皮ふの血管を広げて放熱を促します。そして痛覚神経を麻痺させて興奮を抑え、痛みを緩和します。これだけでも、からだに不自然な作用をして相当負担をかけているのがわかります。
症状が「治った」のではなく「緩和」しただけであって、根本的な解決にはなっていません。一時的に感覚を麻痺させて「楽になった」と脳を騙しているのです。ということは、薬の効き目が切れ始めたら初期より耐え難い症状に今度こそダウンしてしまう方も少なからずいらっしゃることでしょう。
個人差の大きい副作用
どんなに健康な方でも、解熱鎮痛剤を飲み続けて副作用が出ないということはないでしょう。無いというケースはおそらく自覚症状がないということであろうと考えられます。ふだんから胃腸が丈夫なほうではない方は、胃炎を発症する可能性が高くなります。
ほかに、薬物乱用性頭痛やバファリンなどのアスピリンによって出血することもあります。具体的には、胃粘膜の防御機能が低下し、胃酸によって粘膜が溶け出します。こうしてびらん性胃炎を発症するのです。
進行すると胃潰瘍や胃がんになることもあります。これと似て非なるものに胃障害があります。鎮痛剤を飲んだ後に血尿やだるさ、全身のむくみなどの症状が出たら胃障害の疑いがあります。
そのほかにも、肝機能障害(だるさ、皮ふや白目が黄色くなる)、ぜんそくの症状の悪化、無菌性髄膜炎(発熱、嘔吐、首筋のつっぱり、頭痛)などがみられるので、持病のある方は自己判断で飲むことは避けたほうが良いでしょう。
副作用を少しでも軽くする方法としては、牛乳を飲んだり大量のお水を飲んだりするのが一般的ですが、どちらも摂取しすぎるとお腹を壊すので注意が必要です。薬を1週間以上続けて飲んだりしないようにしてください。
消炎鎮痛剤の一長一短
消炎鎮痛剤は血管が拡張するのを抑制するはたらきをします。血管が閉じると患部への血流と痛み成分が止まります。つまり痛みが一時的に治まると同時に、血流を止めたことにより患部の壊れた組織の修復も止まるため自然治癒を阻害することにもなります。
薬を飲むと成分が全身に到達して血圧が上がります。その状態が1、2週間ほどあればさほど心配はありませんが、1ヶ月、半年と続くと危険です。
交感神経が強く緊張した状態になり、不眠や高血圧などの症状が出てきます。また肥満の方は糖代謝が活発化することにより、糖尿病のリスクが上がります。このような状態になると不眠症になったら睡眠薬、高血圧には降圧剤、不安障がいのような症状には抗不安剤が処方されます。
これでは消炎鎮痛剤と副作用の薬で薬漬けになってしまい、疲労でからだはボロボロ状態に近づいています。そうならないように鎮痛剤を飲まずに我慢したほうが良いということではありません。
量を調節して1、2週間で服用を止めて経過をみるのです。もちろん、体調が悪くなったら直ちに服用を止めてください。
まとめ
鎮痛剤の副作用を理解して身を守る
解熱鎮痛剤とは
個人差の大きい副作用
消炎鎮痛剤の一長一短