皆さんは、肘を何かの角っこにぶつけてしまった時に、指先がしびれた経験はありませんか?しびれるのが自然なことと気に留めていらっしゃらない方も少なくないことでしょう。しかし、その症状は 肘部管症候群 の可能性もあります。 原因 は日常にあることが多いので、振り返ってみましょう。
これって肘部管症候群?思い当たる原因は?
原因は人それぞれ
まず、「肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)」と読みます。特に中年以降の男性の方が多く発症します。おそらく女性よりも過重な肉体労働に従事される方が多いためと考えられています。
一言でいうと神経が障がいを起こしている状態です。肘の内側で何が起こっているのでしょうか。尺骨神経が慢性的に牽引(引っ張られる)されたり、圧迫されることで発症します。
また、靭帯(神経を固定している)やガングリオンなどの腫瘤によって圧迫されていることもあります。それは加齢に伴う肘の変形であったり、長時間肘を曲げ続けることが一因です。
中高年に差し掛かったからといって、全員が肘部管症候群を発症するわけではありません。発症する方は発症しない方よりも、特別な人生を歩んでこられたのでしょうか。
先に述べたように、長年続けてこられたお仕事たとえば大工さんや造園業、工場、理容美容業、運送業などの肉体労働は発症確率を高めます。
このようなお仕事は、ご自身が楽な姿勢や動きやすい姿勢が知らず知らずのうちに固定化してそれが肘に負担をかけてしまい、熟練のベテランに差し掛かったころに神経が限界に達するのです。
肘を曲げるといえばパソコン作業もそうですが、肉体老労働と比べてさほど力を必要としないのでと楽観することはできません。
そのほかに、子どものときの骨折による肘の変形があげられます。成長期の段階での骨折は、治ったあともからだが成長しますから変形していると組織の発達に影響を及ぼします。
また、習い事に野球や体操、柔道などを選び熱心に取り組むと肘を酷使することになります。もちろん、これらのスポーツを大人になってから始めても気をつけなければなりません。そして、特に何もしていなくても発症することはあります。健康そのものといった方が病気になるのと同様です。
初期症状を見逃さない
最初に小指と薬指のしびれがあらわれます。気になるかもしれませんが、使いすぎかおじいちゃんおばあちゃんに近づくとみんなこんなものと経過観察を決める方が多いようです。
さらに進行すると小指側の手の筋肉がやせ細ってきます。お仕事に支障が出て、手の筋肉を鍛えようと考える方もおいででしょう。
この次の段階で、手の見た目が左右で変わってくると、さすがに病院行きを検討していただきたいところです。しびれが出始めたところで病院へ足を向けられればベストなのですが、なかなか我慢できるとむずかしいようです。
対策は日々の習慣から
仕事やスポーツが原因であれば、これらをセーブすることで症状の改善が期待されます。セーブの感覚には個人差があると思われますが、理想としては日頃の8割くらいをお休みすると良いでしょう。休むだけでこんなに違うのかと実感できることでしょう。
2週間から1ヶ月ほど休んだら、いきなり100%の動きで再開しては元の木阿弥です。以前よりも悪化して治りが悪くなってしまう可能性が高くなります。
そして盲点は睡眠中の肘の負担です。肘を曲げて枕がわりにして寝る習慣はありませんか。筋肉が拘縮してしまい肘にとっては休息時間にも負荷をかけられ続けて、休まる暇がありません。ピーンと肘を伸ばして休む必要はありませんが、曲げる最大角度は20度くらいを目安にしましょう。
もちろん肘だけではなく、からだ全体に楽な姿勢を心がけることはいうまでもありません。
まとめ
これって肘部管症候群?思い当たる原因は?
原因は人それぞれ
初期症状を見逃さない
対策は日頃の習慣から