みなさんの中には、腰を深く落として作業をするのは何となく格好悪いと思っている方も少なからずいらっしゃることでしょう。中腰のほうが時間短縮になるというのもあります。
しかし、 中腰 でややスマートに振舞ってぎっくり腰になってしまっては当分の間1日の半分をみすみす棒に振るようなものです。改善できないか検討してみましょう。
わかっているけどやめられない。中腰のリスクとは?
加齢と職業病によるもの
中高年になるとどんなに日頃から鍛えている方でも、長年の疲れが全身に出てきます。椎間板がすり減りヘルニアを発症したり、背筋が弱まるのは老化として自然なことです。
すり減らないように安静にしていれば良いということでもなく、ドライバーなど運転をよくする方やデスクワークの方に多くみられます。長時間腰を前に反らした姿勢でじっとしているからです。
運動不足によって足腰が弱まっているところにいきなり重い荷物の持ち運びなどをすると腰が悲鳴をあげます。このときにぎっくり腰を誘発してしまうのです。
また、最近は30代前半でもぎっくり腰を発症するケースが増えています。子どもの頃からあまりからだを動かさずに、勉強やゲーム遊びに時間を割いていると筋力の発達が十分ではないまま成長期が終了し、いわゆるもやしっ子、カイワレっ子が増加したことが一因です。
顔を洗ったり頭を洗うときに腰に痛みが出ることもありますから、筋力に自信のない方は勢いをつけて生活するのは控えたほうが良いでしょう。
主婦(夫)に多い原因
お子さんを抱っこするときに腰を痛める方は多いようです。腕の力で持ち上げようとするのではなく、足をできれば肩幅くらいに開いて腰を落としてからだ全体の力で引き上げるようにすると、腰への負荷が全く異なります。家のなかならともかく、外出先ではむずかしい面もあるでしょう。
周りの迷惑にならないよう、走り回るお子さんを素早く捕まえる必要もありますし、視界から消えないように後ろから見守るとなるとどうしても少し前かがみの姿勢でついていくことになります。
ご自身の健康を優先しては皆さんから非難されかねません。暇なときに上体反らしをするなどの自己防衛を工夫しましょう。休むことのできない家事も中腰だらけの1日をつくっています。
洗濯物を干したり、お布団の上げ下ろし、お掃除、お買い物などどんなに要領よく手を抜いたとしても中腰にならずに1日を終えることは不可能です。むしろ手を抜かずにもうひと手間を惜しまないほうが結果的には楽に過ごせます。
お布団であれば、面倒くさがらずに少しずつ運び、移動距離は最短になるように工夫しましょう。掃除機は本体を持って移動すれば中腰にならずに済みます。
お買い物は、量があるときは袋を2つ以上に分けて肩にかかる重さを左右均等にしましょう。1回1回は短時間でも、週に何回一生で何千時間と考えると腰への負担は相当なものです。少しの手間で腰痛を予防できるのであれば、しない手はありません。
腰痛予防にストレッチは侮れない
これから先、中腰に1度もならずに人生を終えることはできませんから、筋力アップのためにストレッチやマッサージは欠かせません。あまり複雑なものはやる気を失いますから、簡単なものをご紹介します。
①仰向けに横になり、両膝を揃えて立てます。②両膝をゆっくり真横に倒します。このとき、両肩が床から離れないようにします。③この体勢を左右それぞれ10回ずつ行います。お風呂上がりなど、筋肉がやわらかくなっているときに行うと効果を実感しやすいと思います。
朝起きる前に敷布団の上でそのまま取り組んでも良いでしょう。また、家の中では足を適切に前後左右に広げて、からだ全体の力で動作を行い腰一点に負荷がかからないようにしましょう。
まとめ
わかっているけどやめられない。中腰のリスクとは?
加齢と職業病によるもの
主婦(夫)に多い原因
腰痛予防にストレッチは侮れない