炎症といえばみなさんはどのようなイメージをするでしょうか?「痛い」や「つらそう」などマイナスのイメージを持つ人が多いようです。しかし 炎症 は体にとって良い面があるのはご存知でしょうか?
ここでは「炎症ってどういうしくみなの?」というところから知ってそうで知らない炎症をみていきましょう。
炎症って本当は体に良い!?
炎症ってなんだろう
炎症とは専門的に言えば「血管と血管のまわりにある組織の反応」です。血管は体のいたるところにあるので、炎症はどこでも起こります。身近なもので言えば、五十肩や風邪のときの喉の痛み、重症になると肝炎や肺炎などが有名でしょう。
では炎症は具体的にどのようなものなのでしょうか?
ためしに自分の手を思いっきり叩いてみましょう。叩くとその部分の細胞が壊れるので、まず痛み(疼痛)がでます。さらに叩いたところに、血液が集まってくるため、見てみると叩いた部分が赤くなります(発赤)。
さらに触ってみると、赤いところが赤くないところに比べて温かいのがわかります(発熱)。そしてしばらくすると腫れます(腫脹)。この四つ「発赤、発熱、疼痛、腫脹」が起こるのが炎症です。
炎症は体の防御反応
では、なぜ炎症反応が起きるのでしょうか?炎症が起こると、痛いからなくなればいい、と思いがちですが炎症には実はとても大切な役割があるのです。
炎症が起こるきっかけは、ウイルスや化学物質など、体にとって害となるものや異物です。また怪我や関節の変形など、普通と違う状態も炎症のきっかけです。
つまり炎症が機能しないと風邪やケガに対して体が無防備になり、傷が治らなかったり、すぐに肺炎となったりするのです。
いいかえれば、炎症は異物から体をまもるための防御反応であり、体を健康に保つための大切な機能なのです。
炎症は諸刃のつるぎ!?
炎症は体にとって大切なしくみですが、同時に諸刃の剣でもあります。けがしたときを例に考えてみましょう。
まずけがした瞬間に細胞が壊れます(疼痛)。これを一次損傷と言います。つまり炎症のきっかけです。一次損傷が起こると血液が、けがをしたところに集まってきます(発赤、発熱)。
そして血液が集まるため腫れる(腫脹)のですが、このときケガをしたまわりの細胞を圧迫して、まわりの細胞を壊してしまいます。
また血液があふれすぎると、逆にけがをしたところが酸欠状態になります。このためケガのまわりの細胞も傷つけてしまうのです。これを二次損傷と言います。
この二次損傷がひどいとズキズキとした痛みが強くなったり、ケガの治りが遅くなったりします。ケガの約半分がこの二次損傷と言われることもあます。そのため諸刃の剣なのです。
炎症がおこったら
炎症には大きく分けて急性と慢性があります。ここでは急性炎症を見ていきましょう。
まず炎症がおこったらすぐに冷やしましょう。専門的には約48~72時間以内と言われています。冷やすことで血管が細くなります。すると血液が炎症を起こしたところへ、集まりにくくなります。
血液はケガを治すためになくてはなりませんが、ここでは二次損傷をなるべく防ぐために冷やすのです。
約48~72時間を超えると今度は、温めましょう。48~72時間を超えると、二次損傷がおこりにくくなるからです。温めることで、血液を炎症をおこした場所へ集めて一気に回復を促します。
また炎症がおこってすぐに抗炎症薬を飲むことは、あまりおすすめしません。もちろん場合によりますが、炎症は修復のために、欠くことのできない過程だからです。早く治したのであれば、なるべくひかえるえるようにしましょう。
このように冷やしてから温めることで、炎症がおさまって回復するまでの期間を短くすることができます。ぜひ試してみてください。
ただしいつもと違う痛みや違和感を感じたら、医療機関にかかるようにしましょう。
まとめ
炎症って本当は体に良い!?
炎症ってなんだろう?
炎症は体の防御反応
炎症は諸刃のつるぎ!?
炎症がおこったら