皆さんは、少しお腹が痛かったりからだが怠かったりするときに「一晩休めば治るだろう」などど考えて深く気に留めることは少ないのではないでしょうか。しかし、これが週に何度も自覚症状としてあらわれるようであれば慢性化しつつある 炎症反応 といえます。
放置すると大後悔することになりかねませんので、この機会に怖さを知っておきましょう。
からだの中で起こっている炎症反応の恐ろしさ
すり傷よりやっかいな内臓の炎症
炎症のスタート地点は「腸」です。腸内で起こった炎症が全身に広がって進行すると生活習慣病を発症します。
テレビなどで健康なきれいな腸と不健康な腸の映像を観たことのある方も多いと思いますが、病院でご自身の腸の映像を観てショックを受けてもなかなか生活習慣を変えられない方が少なくないようです。
主に食べ過ぎが原因で起こる炎症ですから、翌日から食生活を改めれば十分回復の期待をすることができます。腸は自らの意思で口から入れたものが集まる場所です。ですから添加物や保存料などの有害物質が最も溜まりやすいのです。
食事は人生で最も楽しい時間の一つであるべきですが、バランスと量を考えなくては食事を楽しむことができなくなる日が遠からずやってきます。
腸の老化は見た目にもあらわれる
有害物質やからだの毒素をつくりだすのは、脂っこいものやスパイシーなものの食べ過ぎです。腸はこれらを敵の侵入、異物混入と認識し腸管を守ろうとして戦い、炎症が起こるのです。
つまり、炎症の初期の段階で「食べ過ぎかな、少し控えようかな」と腸をいたわることができれば腸としては万々歳です。しかし、そのうちそのうち、ダイエットは来年からなどと現実逃避して好きなものを好きなだけ食べる生活を続行しているとアウトです。
炎症が慢性化すれば耐え切れずに細胞は壊れていきます。そうすると腸の老化が加速します。中高年になると同い年とは思えないほど見た目が違いすぎる方をよくお見かけしますよね。見た目が若々しく血色の良い方は間違いなく腸もきれいなピンク色です。
腸の老化は食生活のほかにも、ストレス、睡眠不足、運動不足、加齢などが関係しています。見た目が若い方はこれらの解消が上手ということです。ストレスと上手く向き合うのはむずかしいことですが、「この状態がずっと永遠に続くわけではない」と前向きに生きていこうという姿勢が大切です。
健康状態を調べるには?
腸の老化や慢性的な炎症を調べる専門の検査はありませんが、腸はとてもデリケートな臓器です。なんとなく調子が悪いとか、胃もたれ、チクチクする、お通じの状態が悪いなど自覚症状はたくさんあります。
肥満になると感覚神経が鈍り、自覚しにくいというケースもあるようですが、肥満体という時点で健康には良くないという自覚はご本人も周囲の方々もおありでしょうからみんなで協力してまずはダイエットから頑張るしかありません。
腸からの警告をスルーして慢性的な炎症となってしまった場合、臓器はもう元に戻りません。戦いに敗れて力尽きてしまった状態です。そのまま放っておくと5~10年後くらいに重篤な病気が現れる可能性に満ちています。
糖尿病、動脈硬化、心不全、脂肪肝、代謝異常、肝がん、肝硬変、肝炎、慢性腎臓病などがあげられます。年齢が若いほど病気の進行は早いですから子どもの頃から不摂生な生活をしていると30、40代で発症することもあります。
まだまだ働き盛りのこの時期に病気になるとは夢にも思っていないかもしれませんが、ご家族や周囲にご心配な方がいらっしゃったら声をかけてみると良いでしょう。
ひとの心配をするのは自分の心配をするのとほぼ同義語です。健康的な生活は一人では成り立ちません。ひいては社会全体の健康意識を高めることが大切ではないでしょうか。
まとめ
からだの中で起こっている炎症反応の恐ろしさ
すり傷よりやっかいな内蔵の炎症
腸の老化は見た目にも現れる
健康状態を調べるには?