あまりに日常的すぎて、見過ごされがちなのが鼻水鼻づまりです。その多くの場合において原因となっているのが副鼻腔炎です。慢性化、悪化を防ぐためにも早期に、適切な治療を施す必要があります。 副鼻腔炎 に対するさまざまな 治療 法についてご案内します。
副鼻腔炎におけるさまざまな治療法
軽視してはいけない鼻水鼻づまり
鼻水鼻づまり・頭痛・腰痛などは日本人の多くの方が悩まされている症状です。中でも鼻水鼻づまりというのは直接生活に支障をきたさないために、軽視されがちです。
しかしながら、放っておくと鼻孔内の炎症が肥大し、副鼻腔炎から頭痛、顔面痛、視覚障害、難聴、あるいは呼吸器系の疾患へと発展してしまうこともあります。早いうちでの専門医への相談、および治療が必要です。
鼻水鼻づまりの原因の多くを占めるのが副鼻腔炎です。副鼻腔炎には、点鼻薬や抗炎症剤などによる薬物による治療、および溜まった鼻汁を取り除く鼻吸引や鼻洗浄、また薬剤を霧状にして注入するネプライザー療法という治療法がとられます。
一定期間、これらの治療を施して改善がみられない場合、手術に踏み切る場合もあります。
副鼻腔炎の薬物による治療
副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があります。急性副鼻腔炎を放置しておくと慢性副鼻腔炎になります。
したがって急性の症状の出たときに対処することが望ましいのですが、風邪などの症状との線引きも難しいことから、放置してしまいがちです。
この場合、熱が下がったときに、完全に鼻汁を出し切ってしまうことが大切です。なぜなら鼻汁の分泌は、異物を排出しようとする身体の免疫機能だからです。急性副鼻腔炎であることを自覚したら、速やかに医師の診察を受けましょう。
風邪薬でも鼻水鼻づまりの改善に役立つことはありますが、副鼻腔炎に関係のない成分も入っているので、副作用の危険性もあります。
また市販の点鼻薬は、細菌やウイルスに対して効果を発揮するというものでもありません。どちらも根本的な治療からは程遠い、一時的な対策に過ぎません。専門医の指示を仰ぎ、丁寧な治療を施すことが大切です。
急性副鼻腔炎における薬物療法は、消炎酵素薬とともに、抗菌薬を服用するのが一般的です。慢性副鼻腔炎の場合には、抗菌薬の継続的な服用が施されます。また、鼻水や痰を出しやすくするための薬、たとえば気道粘液修復薬、気道粘液溶解薬、気道潤滑薬などを使う場合もあります。
鼻吸引と鼻洗浄、ネプライザ―療法
鼻吸引や鼻洗浄は、局所麻酔によって行われます。鼻吸引は鼻腔および副鼻腔内の腫れを抑え、溜まっている鼻水を吸引する治療法です。鼻洗浄は、上顎洞(じょうがくどう)の炎症のときに行われます。
上顎洞(じょうがくどう)というのは、鼻の左右、頬のあたりにあるもっとも大きな副鼻腔です。もっとも炎症を起こしやすい副鼻腔と言われています。
この上顎洞に針を刺したり、細い管で生理食塩水を注入したりして、上顎洞の洗浄を行います。生理食塩水による洗浄のあとに、抗菌薬を注入することもあります。
ネプライザー療法というのは、抗菌薬やステロイド系の薬液を霧状にして鼻から吸い込ませて、副鼻腔へと送り込む治療法です。薬の量が少なくてすむことと、副作用の心配もないことから幅広い年齢層の方に施されています。
鼻吸引や鼻洗浄のあとに、ネプライザー療法を行うと、より効果が高まります。
副鼻腔炎に効くツボ
自宅療法においてもっとも安全で副作用もなく、症状の緩和に効果が見込まれるのがツボ療法です。ツボ療法は、一度覚えてしまいさえすれば、いつでもどこでも手軽にできます。
たとえば鼻水、鼻づまりに効果のあるツボとしては、上星(じょうせい)、印堂(いんどう)鼻通(びつう)などがあります。上星は、顔の中の正中線における髪の毛の生え際から指一本分上のあたり、印堂は同じく正中線上、眉とまゆのあいだ、眉間になります。
鼻通は鼻の左右、小鼻の上の少しへこんだ部分になります。また、足の指先はすべて副鼻腔に対応しています。これらのツボを指圧したり、もみほぐしたりすることで副鼻腔炎の症状を緩和させることが出来ます。
手術による治療
副鼻腔炎の手術では、原因となっている炎症の除去や切除、鼻の通りを良くするための骨の矯正などが行われます。内視鏡による手術が一般的です。
術後もしばらくはネプライザー療法による治療が必要になります。
まとめ
副鼻腔炎におけるさまざまな治療法
軽視してはいけない鼻水鼻づまり
副鼻腔炎の薬物による治療
鼻吸引と鼻洗浄、ネプライザー療法
副鼻腔炎に効くツボ
手術による治療