副鼻腔炎 は、日常生活に支障が無ければ、つい軽視してしまってなかなか完治させるところまで持って行くことが出来ません。そのため再発し、以前より重い症状に悩まされる方も少なくありません。専門医の指示の下、適正な 薬 や療法による治療を行い、完治させておくことをお勧めします。
副鼻腔炎の治療と適正な薬
副鼻腔炎の治療法
副鼻腔炎の治療には、さまざまな方法が用いられています。初期段階の日常に支障をきたさない範囲であれば、鼻うがいや点鼻薬などで対処していくことも可能です。
自己療法により完治を確信できれば良いのですが、しばらくのちに再発することもあり、繰り返すうちに慢性化してしまう可能性もあるのが、副鼻腔炎です。副鼻腔炎は完治を認識することの難しい病気と言えます。
腰痛や頭痛のように生活に不便を感じるようなことがないからといって軽視してはいけません。炎症がすすむと視覚障害や頭痛をともない、呼吸困難におちいることもあります。早期に医師へ相談し、適切な治療を受けることが大切です。
副鼻腔炎の病院での治療
病院での治療法も症状に応じて多様です。副鼻腔炎においてもっとも多いと言われる上顎洞(じょうがくどう)の炎症の場合には、生理食塩水を注入して鼻洗浄を行うことがあります。また局所麻酔や血管収縮薬を用いて炎症を抑えてから、溜まった鼻水を吸引する鼻吸引という治療法もあります。
鼻吸引を行った後に続けてネブライザー療法を行うと、より効果が上がると言われています。ネブライザー療法とは、霧状にした薬液を副鼻腔に送り込む治療法です。薬の量が少なくてすむことと麻酔の必要もないことから、副作用の少ない手軽な治療法として広く施されています。
これらの治療法を試みても改善が見られない場合には、手術により炎症を起こしている粘膜や鼻茸と呼ばれるポリープの切除を行います。切開による外科手術と内視鏡による内視鏡下鼻内副鼻腔手術とがあり、一般的に行われているのは身体に負担の少ない内視鏡下鼻内副鼻腔手術です。
手術の後も、鼻吸引やネブライザー療法、薬物療法による治療を続ける必要があります。
薬による副鼻腔炎の治療
急性副鼻腔炎の治療薬としては、一般的には症状を抑えるための消炎酵素薬や解熱鎮痛薬と共に、抗菌薬が用いられます。消炎酵素薬とは、腫れを抑え鼻汁の切れを良くする薬です。抑え気味の薬ですので、副作用もほとんどありません。
ただし、ノイチームやソフトーゼという薬は、卵アレルギーの方への投与を禁止しております。解熱鎮痛薬は、副鼻腔炎による顔面痛や頭痛などの症状が重い場合に用いられます。アスピリン喘息を引き起こす危険性もありますので、服用にあたっては注意が必要です。
抗菌薬は、細菌の増殖を抑えて死滅させます。対応する細菌の種類によってペニシリン系、セフェム系、マクロライド系、キノロン系と分かれています。検査により細菌の種類を特定し、それに合わせた抗菌薬が用いられます。
服用の期間は一般的には1~2週間ですが、このうちマクロライド系の抗生物質は長期に渡って投与を続ける場合があります。「マクロライド長期少量投与療法」という治療法です。
細菌性の慢性副鼻腔炎に有効とされています。1~2週間の抗菌薬の投与の後に、鼻吸引やネブライザー療法とあわせながら粘液調整薬の服用を続ける場合もあります。
ネブライザー療法は、ステロイド剤を少量混ぜて行われます。ステロイド剤は、体内にある副腎皮質のステロイドホルモンと似た化学構造を持つ薬です。強い効果が見込まれることから、量の調整がとても難しいとされています。服用されるときには、必ず医師の指示を護って下さい。
粘液調整薬には、気道粘液修復薬、気道粘液溶解薬、気道潤滑薬とあります。固まった粘液を溶かしたり、綿毛を刺激して鼻水や痰を出しやすくします。気管支炎やぜんそくなどの呼吸器系疾患にもよく用いられる薬です。長期に渡って服用しても、身体への影響は少ないとされる薬です。
副鼻腔炎における薬の服用は、医師の指示に従って根気よく続けることが必要です。一時的に症状が緩和されることもあり、その時点で安心される方も少なくありません。処方された薬は最後まで飲み切りましょう。
まとめ
副鼻腔炎の治療と適正な薬
副鼻腔炎の治療法
副鼻腔炎の病院での治療
薬による副鼻腔炎の治療