風邪を引いた後にいつまでも鼻がぐずぐずいって、眼や鼻の周りが痛いなどの症状が出た場合には、副鼻腔炎の可能性があります。こじれると炎症が残り、慢性的な鼻づまりや鼻汁に悩まされることになります。風邪や花粉症との違いとあわせて、 副鼻腔炎 の 症状 についてご案内します。
副鼻腔炎の症状・風邪や花粉症との違い
副鼻腔炎の発症原因
もっとも多いとされる発症原因は、風邪の治りかけからの副鼻腔の炎症です。風邪を引いたとき、初めのうちは水っぽい鼻水が出ます。鼻水が出るのは風邪ウイルスを出そうとするためです。
そして、ひととおりの症状を経て治りかけの頃になるとドロッとした鼻汁に変わります。鼻の中の最後の大掃除になります。このときの鼻汁をしっかりと出し切らずにいると、副鼻腔に入ってしまい、副鼻腔の中で細菌感染し炎症を起こしてしまうのです。
また花粉症から発症するケースや、急激な気圧変化による器官の拡張や収縮が原因となる場合もあります。
風邪や花粉症との違い
風邪と副鼻腔炎とのもっともわかりやすい違いは発熱です。熱が治まってから、いつまでも粘性の鼻汁が出るようなら副鼻腔炎の可能性があります。
また花粉症との違いは、目のかゆみと鼻水の種類によってわかります。花粉症の場合には、さらっとした透明性の高い鼻水が出ます。
副鼻腔炎では、症状の段階によっては目の間が痛んだり、視覚障害になる場合もありますが、目がかゆくなることはありません。またドロッとした黄色や緑色の鼻汁が出ます。
副鼻腔炎の症状
鼻をかんでも鼻水が残っているような感覚にとらわれ、慢性的な鼻づまりに悩まされます。息が臭くなったり、味がわからない、匂いがわからないなどの症状が出ます。炎症がすすむと顔面痛、視覚障害や頭痛をともなうこともあります。
ドロッとした鼻汁がノドの方へと流れてくることを後鼻漏(こうびろう)と言います。後鼻漏によりノドへ入り込んだ鼻汁は、今度はノドに炎症を起こします。ノドの炎症はせきやくしゃみを引き起こします。
子供が就寝前にせき込んだりするのは、鼻腔と副鼻腔の通気口が大きく鼻水を大量分泌しやすいために、横になったときにノドに流れやすくなるからです。
鼻閉(鼻閉)とは、鼻づまりの状態のことを言います。ひどくなると鼻がむくんだりすることもあります。鼻づまりになるのは、副鼻腔内の通気がふさがれたり、狭められたりするからです。その原因となるのが副鼻腔内の炎症です。
炎症が肥大化して鼻茸と呼ばれる白いポリープ状のものが出てくる場合もあります。そうなると鼻づまりはさらにひどくなるので、早急な治療が必要です。
また鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)と呼ばれる鼻骨の変形を原因として、鼻づまりになる場合もあります。鼻茸にせよ、鼻中隔湾曲症にせよ、ひどい場合には、手術の必要性も考えなければなりません。
副鼻腔炎は、炎症の起こった副鼻腔の場所に応じた痛みをともなうことがあります。上顎洞(じょうがくどう)の炎症の場合には頬が痛み、歯が痛む場合もあります。篩骨洞(しこつどう)の炎症なら眼の奥、前頭洞(ぜんとうどう)の炎症なら額の辺りが痛みます。
それぞれの炎症がすすみ、換気障害により三叉神経が刺激されると痛みは拡がっていきます。頭痛や頭重感、後頭部痛などに悩まされることになります。さらに意識障害などを引き起こすこともあります。
副鼻腔炎を、たかが鼻汁、鼻づまりと軽視してはいけません。鼻汁、鼻づまりは症状の初期段階における身体の防衛本能です。いわば危険の予兆、黄色信号なのです。ご自宅でできる速やかな対処、さらに医師の適切な指示を仰ぐことをお忘れになってはいけません。
まとめ
副鼻腔炎の症状・風邪や花粉症との違い
副鼻腔炎の発症原因
風邪や花粉症との違い
副鼻腔炎の症状