副鼻腔炎 の 手術後 のお過ごし方は、患者さんによって個人差があるのはもちろんですが、お心がけの基本はあります。内臓の手術後と異なり安静にしているのがむずかしいかもしれませんが、自由奔放な生活まであと少しだと自分を励ましながら静かに過ごす時間は不可欠です。
自滅しない副鼻腔炎の手術後のケア
峠を越えて良くなる
手術を受けた翌日から飛んだり跳ねたりする方はあまりいらっしゃらないと思われますが、ほとんどの患者さんは少なくとも数日間はお仕事や学校をお休みすることになります。
仕事を休むのは申し訳ないので、思っていたより体調が良いから医師には内緒で仕事へ行く方が少なからずいらっしゃるようです。
この行為は命取りにはなりませんが、完全に治癒するまでの期間が延びてしまいます。しっかり休んで順調でも数週間は要します。
手術後は鼻の内側に腫れや痛みが生じることも多いですが、これは正常な反応です。重い風邪や副鼻腔炎のような症状が出ることもあり、周囲に心配をかけますのでご自宅でゆっくり休んでいるのがいちばんです。
外にはいろいろな雑菌が浮遊しているので加湿の効いた部屋にいるほうが楽ですし、瘢痕化(皮ふの再生。再生されるたびに元の皮ふよりも硬くなる)を防ぐためにも良い環境です。
そっと過ごす
まず、頭を高く保つことです。術後の出血と腫れを抑えるために必ず守っていただきたいことですし、頭が低いと寝つきが悪くご自身もつらいと思います。
手術後の最初の夜は、枕やお布団を重ねて頭を高くしたり、もしあればリクライニングチェアで休むのも一案ですが寝ぼけて危険な状態にならないように注意が必要です。
またガーゼなどのパッキング材が鼻に入っている場合は、怖い気持ち悪いという気持ちを堪えてこれらが鼻から出てきていないか確認してください。パッキング材は、取り出してはいけません。パッキング材で鼻が詰まるときは、口呼吸をすると楽になります。
ふだんきちんと口を閉じて鼻呼吸ができている方には違和感があるかもしれませんが、いっときの辛抱です。出血があると心配になりますが、術後2~3週間は一定の出血がみられるのがふつうです。それにしてもあまりにも出血量が多いようなという場合は、夜中でも医師に連絡しましょう。
加えて、これがいちばんつらいかもしれませんが、術後少なくとも1週間は鼻をかまないでください。粘膜やかさぶた、その他いろいろ気になって仕方がないでしょうが、我慢です。
また、鼻の中の出血を引き起こす可能性のあるもの控えてください。激しい運動、重いものを持ち上げること、いきんだり力んだりは余程の非常時以外は厳禁です。手術前はセカンドオピニオンなどありますが、手術後まできたら医師の指示に従いましょう。
再発という現実
再発の可能性は低くありません。副鼻腔炎の手術は「治す」のではなく、病変の一部を除去しているに過ぎません。症状を少しでも緩和できたら良いな…くらいのものです。
副鼻腔炎を生じさせた体質は何ら変わっていないわけですから、しばらくしたらまた副鼻腔炎や花粉症、アレルギー性鼻炎という形で発症する可能性は大いにあります。
ですから、体質改善のための自己努力が必要です。お肉や卵、パン、お菓子の食べ過ぎは免疫力を低下させます。魚介類やお野菜、果物もしっかり摂取してください。
添加物の摂取を減らすために、薄味の食事を心がけましょう。たとえば、トンカツを食べるときに一切れだけソースなどをかけて、残りはそのままかお塩でいただく習慣をつくればかなり健康的です。
お惣菜を利用する頻度を減らすのも良いでしょう。周囲の方々で、「健康的で良いな」と思う方に食生活を聞いてみると参考になります。おもらく何かしら運動などもされているでしょうから、見習うべきことをみつけてみましょう。
まとめ
自滅しない副鼻腔炎の手術後のケア
峠を越えて良くなる
そっと過ごす
再発という現実