自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、現代人は活動系の交感神経のほうが優位になりやすく休息系の副交感神経は乱れがちです。
副交感神経 が 優位 になる時間が短いと、ご自身ではゆっくり休んでいるつもりでも身体はほとんど休まっていないということが慢性化してしまいます。副交感神経との上手な付き合い方をご紹介いたします。
副交感神経が優位になると元気になる?ならない?
静かに穏やかに過ごす
日常生活はさまざまな刺激が溢れていますから、副交感神経を優位にするためにはそれなりの準備が必要となります。リラクゼーションサロンなどもありますが、費用もかかりますし行き帰りの疲れが効果を半減してしまう可能性が高いです。
したがってご自宅の一室を確保して静かに過ごしましょう。ご自身にとっての適温を保ち、強烈な香りのない薄暗い部屋が理想です。ご自宅の立地によっては外の騒音から逃れられないこともあるでしょうから、耳栓を用意しても良いです。
この部屋でおひとりで1~3時間ほど過ごすのが理想です。何をして過ごすかは自由ですが、大の字になって休んだり瞑想してみたり小さめの音量でクラシック音楽を聴いてみたり、ふだんはできないことをしてみてはいかがでしょうか。
深呼吸をするのもおすすめです。5秒で吸って6~10秒かけてゆっくり吐きます。そのときにむせってしまったら、日頃から呼吸が浅く腹式呼吸ができていない証拠です。10~20回ほど深呼吸してみましょう。
飲食はしてはいけないことはありませんが、理想としては麦茶や白湯などでガマンします。お菓子やジュースを飲食していると胃腸に負担がかかって意識も飲食に向いてしまいます。
部屋に入る前に和食の食事を軽く済ませてから、食後1時間くらいで入室すると最も効果が得られやすいと考えられます。
健全なストレス発散とは
気分転換の方法は人それぞれで、人にとやかくいわれたくないというお気持ちはわかります。しかしアルコールとタバコは別です。お酒は百薬の長ともいわれていますし、確かに適量のお酒は副交感神経を優位にします。血流も良くなり深い眠りへと導いてくれます。
ところが飲み過ぎると交感神経のほうが優位に切り替わってしまうので、睡眠不足になります。毎日必ず飲まないと眠れないという方は、すでに初期の依存性の可能性があります。試しに一日禁酒してみて、本当に眠れないか確認してみてはいかがでしょうか。意外と良く眠れて、寝覚めも良いということがあります。
タバコについては、百害あって一利なしです。タバコがストレス発散という方は、タバコに含まれるニコチン依存症です。ニコチンが切れるとイライラしてストレスを感じているに過ぎません。
ニコチンには自律神経を興奮させる効果があります。副交感神経が間に入ってはたらく余地を与えません。タバコの量を減らし、いずれは禁煙するのがベストです。
リラックスしすぎも疲れる
副交感神経が優位になりすぎても、心身の疲れをとることができません。あまりにもリラックス状態が続くと、今度はかえって副交感神経が過緊張してしまいます。長期の休み明けに疲れているのは、この状態に陥っているためです。
朝起きるのがつらい、やる気がでない、クヨクヨ落ち込みやすい、些細なことが気になるといった症状はゆっくり休むだけでは治りません。疲れているのに動きたくないという気持ちを抑えて、活発に動いたりエセ前向き人間になると効果があります。
まずは甘いものやスナック菓子、お肉などの脂質を多く含んだ食品を控えて、野菜を多めに魚やお米、大豆製品、乳製品を摂取してビタミンやカルシウムを体内に入れてあげます。
食べ過ぎずに腹八分目くらいでガマンできたら、ご自身を褒めます。お腹がこなれてきたら、つぎは運動です。外に出て走る必要はありません。軽くラジオ体操をしたり、腹筋や背筋をしたりウエストをひねったりで十分な効果を得られます。
汗をかいたら水分を補給してください。少しお塩を入れた麦茶などが最適です。そしてお風呂に入ります。半身浴で20分くらい湯船に浸かります。
血流を良くして体温を上げるためです。お風呂上がりには水分補給をして、そのまま静かに眠りにつけば翌日はかなり体調が改善しています。リラックスもほどほどにしておきましょう。
まとめ
副交感神経が優位になると元気になる?ならない?
静かに穏やかに過ごす
健全なストレス発散とは
リラックスしすぎも疲れる