ふくらはぎが痛い !というときには、まず何が原因となっているかを突き止めることが大切です。痛みを引き起こす原因によって、やらなければならない治療というものは大きく変わってきます。
ふくらはぎの痛みの原因と応急処置と、その後の治療についてご案内します。
ふくらはぎが痛い!というときにまずやるべきこと
ふくらはぎの痛みを引き起こすさまざまな原因
ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれるほどに、人体におけるあらゆる機能の集約された場所です。そのため痛みが生じたときの要因もさまざまです。
まず考えられるのがむくみによる痛みです。むくみを引き起こす原因としては、運動不足による血行不良があげられます。
さらに急激な運動負荷による筋肉痛、肉離れによる痛みなどがあります。こちらに関しては多くの場合、直接的な原因を探ることができます。
また坐骨神経痛などによるしびれを伴う痛みを感じることもあります。
むくみの原因と対処法
長時間同じ姿勢でいると、ふくらはぎから下がむくんで痛みを感じるようになります。飛行機での長時間移動や、震災での車中泊などで話題となったこの疾患は、エコノミー症候群と名付けられました。正式には静脈血栓症と言います。
静脈血栓症とは、血液が固まり流れなくなる病気です。それによってむくみが生じ、痛みを感じたり、潰瘍(かいよう)ができたりします。静脈血栓症による血栓が大きくなり肺動脈へ入りこむと、呼吸ができなくなり死にいたることもあります。
早期の治療が必要です。長時間同じ姿勢で居続けること、水分の不足、エストロゲン製剤の服用などが発症の原因となっています。狭い空間で長時間過ごさなければならない場合には、できるだけ下肢を動かすこと、マッサージをすること、こまめに水分補給をすることを心がけましょう。
また弾性ストッキングによる表面の圧迫によって内部血管の血流をうながすことによって、静脈血栓症の発症を抑えることもできます。
急激な運動負荷による筋肉痛と肉離れ
何らかの運動や作業をしている最中に、ふくらはぎが痛みだした場合、筋肉痛、あるいは肉離れということになります。いずれの場合にも、ただちに運動ないし作業を中断して、冷やすなりの処置が必要になります。
特に肉離れとなると、筋肉繊維が断裂している可能性もあるので、内出血と炎症の進行を遅らせる措置が必要になります。安静、冷却、圧迫固定、挙上の応急処置、そして速やかに医師の診断・治療を受けましょう。
筋肉痛と似た症状としてこむら返りがあります。原因は蓄積された筋肉疲労によるけいれんやビタミン・ミネラルなどの栄養不足があげられます。特にビタミンB群の摂取は重要です。症状が進行すると、リンパや血液の流れが滞り、動脈硬化などの重大な病気を引き起こしてしまいます。
不足している栄養分を補うこと、水分を摂ること、マッサージやストレッチなどにより予防することができます。
坐骨神経痛を引き起こす原因と症状
痛みがふくらはぎだけにとどまらず、太ももや膝にかけてビリビリとしびれるような痛みを感じる場合には、坐骨神経痛の可能性があります。坐骨神経という神経は、腰から足の指先まで通る、人間の身体の中でもっとも太く長い神経です。そのため痛む場所は、人によって違います。
ふくらはぎでない場所が痛む人もいます。太ももの前面が痛くなったり、お尻に電気が走るような痛みを感じたりする場合もあります。
坐骨神経痛の要因となっている疾患にもさまざまなものがあります。腰痛に関する疾患として、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)、椎間板ヘルニア、梨状筋症候群(なしじょうきんしょうこうぐん)、腰椎すべり症など。
また何らかの腫瘍が、神経を圧迫している可能性もあります。いずれにせよ、ふくらはぎだけの単調な痛みでない場合は、すぐに医師の診断を仰ぐ必要があります。そして病状に応じた適切な治療を受けましょう。
まとめ
ふくらはぎが痛い!というときにまずやるべきこと
ふくらはぎの痛みを引き起こすさまざまな原因
むくみの原因と対処法
急激な運動負荷による筋肉痛と肉離れ
坐骨神経痛を引き起こす原因と症状