太ももは体を支え、足を動かすために太い筋肉や神経、血管などが集まっている部分です。多くの筋肉や神経、血管などが密集しているため、痛みが出る場所によって原因となる病気は違います。
太ももの痛み が出る場所別の病気についてご紹介します。
太ももの痛みが内側からくる時に考えられる2つの原因
太ももの内側が痛い場合に考えられる2つの病気とは
太ももの内側に痛みを感じる場合には股関節内転筋群炎症と閉鎖神経痛の2つの病気の可能性が考えられます。股関節内転筋群炎症は太ももの内側の筋肉が炎症をおこした状態、閉鎖神経痛は太ももの内側をとおっている神経が圧迫や牽引された状態でおこるといわれています。
また、この二つの病気はどちらも別の病気によって誘発されることの多い病気で一時的に治療を行ってもすぐに再発してしまう危険性の高い病気です。そのためどちらも元となる病気を治療することが必要です。
股関節内転筋群炎症の原因と治療法
股関節内転筋群炎症は太ももの内側にある長内転筋、短内転筋、大内転筋、薄筋の4つからなる股関節内転筋群に炎症をおこした状態のことを指します。股関節内転筋群は足を内側に閉じる動作を行うために使われる筋肉群です。
股関節内転筋群炎症の特徴は炎症をおこしている筋肉によって痛む場所が変わることにあります。股関節内転筋群は太ももの付け根から膝上の部分にかけての広い範囲に存在している筋肉群です。そのため、炎症をおこす場所次第で痛む場所が変わります。
股関節内転筋群炎症の主な原因はX脚やO脚などの骨格の歪み、変形性股関節症や関節リウマチなどの股関節に関する病気によって発症することがあります。
また腰や足首、足の裏の痛みなどを庇うことで不自然に筋肉が緊張した状態を続けることでも炎症をおこしてしまいます。
病気以外の原因ではバスケットやサッカーなど下半身を激しく使うようなスポーツや立ちくらみやめまいなどでよろめいてふんばった時などに急激に太ももの内側の筋肉を使ってしまい、痛みを発生することがあります。
特にこれからスポーツをはじめようとされる方は、まだ体が硬く筋肉を急激に動かすことに慣れていないため、股関節内転筋群炎症をおこしやすいと言われています。
対処方法としては炎症をおこしている患部を冷やし、痛みが感じられるうちは安静にしておくことが大切です。軽度の炎症であれば、これだけで炎症が治まります。
ただし、骨格や股関節の病気が原因の場合は骨格の矯正や病気の治療をしなければ、再発する可能性が高いため、早めに専門医のいる病院で診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
スポーツが原因で股関節内転筋群炎症になってしまった方は痛みが治まるまで安静にしておくことも大切ですが、筋力や柔軟性、体の使い方などをマスターするまでは無理なプレイは避け、少しずつ慣らしていくことで、再発を防ぐことができます。
閉鎖神経痛の原因と治療法
閉鎖神経痛は閉鎖神経という股関節内転筋群を動かすために必要な神経が圧迫や牽引されることによっておこる神経痛のことです。原因としては閉鎖神経がとおっている閉鎖孔とよばれる恥骨と坐骨によって囲まれた穴の部分で刺激を受ける閉鎖孔ヘルニアが原因といわれています。
しかし、閉鎖孔ヘルニアは症状がはっきりしないことが多いため、腰痛として治療をするケースの多い病気です。また、筋力の低下や慢性的な姿勢の悪さによって骨盤が歪んでしまったため閉鎖神経が圧迫され痛みを発生する原因となることがあります。
閉鎖神経痛の特徴は股関節内転筋群を支配している神経に問題が生じているため、股関節の周辺から太ももの内側、膝上にかけてしびれるような痛みがあり、内股に力を入れようとすると太ももの内側で痛みが強くなっていくのが特徴です。
閉鎖神経痛の治療は痛みがある場合、痛みが和らぐまで安静にしておくことが大切です。ただし、安静にしているだけでは一時的に痛みが治まっても完治したわけではないため、痛みの原因を治療するしかありません。
筋力の衰えや慢性的な姿勢の悪さが閉鎖神経痛の原因となることが、多いため衰えた筋力の回復や姿勢や骨盤のゆがみを矯正することが大切になってきます。
また、一時的に姿勢や骨盤のゆがみを矯正しても、維持できなければ再発する恐れがあります。日頃から正しい姿勢を心がけ、矯正をすることが大切になります。
また、閉鎖神経痛は閉鎖孔ヘルニアの可能性もありますので、閉鎖神経痛が疑われる場合は早めに病院へ行き、診察を受けることをおすすめします。
まとめ
太ももの痛みが内側からくる時に考えられる2つの原因
太ももの内側が痛い場合に考えられる2つの病気とは
股関節内転筋群炎症の原因と治療法
閉鎖神経痛の原因と治療法