ガングリオン とは、手の指関節や手首、ひざなどの関節付近にできる良性の腫瘤(しゅりゅう)のことを言います。放っておいても自然と治るのが普通です。しかしまれに痛みをともなう場合もあります。
痛い !と感じやすい発症部位、手遅れにならないように対処法を探っていきます。
痛い!と思ったときに手遅れにならないためのガングリオン知識
なぜガングリオンというものができるのか?
ガングリオンの発症原因について、詳しいところは明らかにされていません。現時点で、ガングリオンを引き起こす要因のひとつとされているのが、血行不良です。つまり血液の流れが悪くなることによって、老廃物が溜まり、ガングリオンとなってあらわれるということです。
この場合のストレスは、精神的なストレスはもちろんのこと、身体的なストレス、たとえばずっと同じ姿勢でいることや、過剰な運動、同じ動作を続けることによるストレスも含まれます。いずれかによって血流障害が起きてしまうのが原因と推測されます。
痛い!ということはほとんどないのがガングリオン
ガングリオンは良性の腫瘤(しゅりゅう)と言われています。一般的には痛みを感じることはなく、ほとんどの場合放置しておいてもいつの間にか治っています。
腫れているときに針状のもので潰してしまうこともあります。そうすると中からゼリー状の黄色い液体が出てきます。これは骨液や関節液の濃縮されたものです。骨液や関節液というのは、関節を動かしやすくするための潤滑油のはたらきをします。
これらが関節を保護する関節包へ流れ出してしまうことによってガングリオンを発症します。発症の構造からも、循環の悪さ、血流障害が原因のひとつと考えられるのです。
水泡のように腫れた部分を押さえても、痛みを感じることはありません。しかしながらまれに、また発症の場所によってはいちじるしい痛みを感じることもあります。
痛みを感じやすいところ
ガングリオンの発症部位はおもに手指の関節や手の甲、手首などが多いのですが、ひざや背中にできることもあります。
特にひざにできると厄介です。腫れが肥大化するとひざの半月板を刺激してしまい、歩くことさえ困難になってしまうこともあります。
そのためガングリオンの切除にともない、半月板を切削しなければならないことさえあるのです。当然ひざのクッション性は弱まり、以前のようなスムーズな動作はできなくなります。
手にできるガングリオンのうち、手のひらに発症すると痛みを感じることが多くなります。手のひらというのは、おそらく人間の身体の中でもっとも外部の刺激に触れやすいところでもあります。
また多くの神経が通っているところでもあります。腫れが肥大化すると、周囲の神経を圧迫してしまい痛みを感じてしまうのです。
背中にガングリオンが発症した場合、痛みがなければ気付く方はほとんどおりません。痛い!何だろう?と思ったときに初めて他人に尋ねたり、鏡で確かめたりしてようやくガングリオンの存在に気づきます。
そのときにはすでに大きくなっていることが多いので、安易な処置はせずに専門医に相談することをお勧めします。
またきわめて少ない確率ですが、腫瘤(しゅりゅう)が目立つ皮膚付近ではなく、皮膚の奥、骨や関節の中にできることもあります。痛みや生活への支障も大きく、もっとも治療の困難なガングリオンといえます。
この場合には、注射器による吸引などの処置は不可能です。骨に発症してしまった場合、通常のガングリオン切除手術とはちがう、より複雑な手術を施すことになります。数日間の入院と完治まで長い期間を要します。腫れが小さなうちは影響も少なく、手術も比較的容易になります。
しかし皮膚の奥や骨に発症したガングリオンを早期に発見することも簡単ではありません。またリウマチや他の重大な疾患の可能性もあります。骨、関節の違和感に対しては敏感にならなければなりません。そしてすみやかに専門の医師に相談しましょう。
まとめ
痛い!と思ったときに手遅れにならないためのガングリオン知識
なぜガングリオンというものができるのか?
痛い!ということはほとんどないのがガングリオン
痛みを感じやすいところ