ガングリオン の症状は、押さえても 痛み をともなうことがないのが普通です。しかし、ときに腫れが大きくなって周りの神経を圧迫して痛みを感じることもあります。痛みを感じるときは、他の病気の予兆である可能性もあります。
ガングリオンと他の病気との見分け方など説明させていただきます。
ガングリオンの痛みと他の疾患の痛みとの違い
そもそもガングリオンって何?
ガングリオンというたいそうな名前から、さまざまな恐ろしいことを連想しがちですが、ガングリオンとは、おもに手指の関節にできる水泡のような腫れ、腫瘤(しゅりゅう)のことをいいます。
通常、痛みをともなうことはないのですが、まれに神経のそばにできてしまったり、腫れが大きくなって他の神経を圧迫してしまうと、痛みを感じ、関節がうまく動かなくなることもあります。
原因としては、手指の使い過ぎ、あるいは強い衝撃を与えたことによる皮膚の防御作用である可能性もあります。
ヨーロッパでは聖書ダコとも呼ばれ、また若い女性に発症事例が多いことが特徴です。また手指を使いすぎると腫れが大きくなり悪化することまではわかっていますが、詳しい発症原因はまだ解明されていません。
ガングリオンの発症メカニズム
人間の関節には、関節包という保護膜のようなものがあります。さらに関節をスムーズに動かすために潤滑油の役割をする骨液や関節液などがあります。これらがうまく働いてさまざまな日常の動きに対応しているのです。
その中で、同じ関節をあまりに多く使いすぎると、関節液や骨液が関節包へ漏れ出してしまい、水泡のようなものを作ってしまうのです。ガングリオンの中に濃縮された液体は黄色っぽいゼリー状になります。押さえても痛みを感じることはほとんどありません。
ガングリオンであることに確信が持てるなら、殺菌処理した針などでつぶすことによって中のゼリー状の液体が漏れ出て、腫れはなくなります。たとえ繰り返し同じ部位にガングリオンができたとしても、根気よくつぶしていけばそのうちに発症しなくなります。
これらの処置は、比較的安全な部位の発症、および初期の軽度のガングリオンである場合に限ります。痛みをともなう場合には、安易な自己診断をせずに専門医の指示を仰ぎましょう。
マメ・火傷との違い
ガングリオンは痛むということはほとんどありません。腫れが肥大化して神経を刺激したときだけに痛みます。神経を圧迫する痛みというのはしびれるような痛みです。
これに対してマメの場合には、手指の過渡の使用により、外皮がこすれることによって熱を持ち、水泡ができます。つまり火傷のときと似た現象が起こるのです。
火傷の場合には、周囲の皮膚が過敏になっているので触ると痛みを感じます。マメの場合には、かえって外皮が厚くなり、触ってもわからないほど感覚が鈍くなることもあります。いずれにせよ直接的な原因が特定できれば、ガングリオンと混同することはありません。
へバーデン結節やリウマチとの違い
へバーデン結節やリウマチも手指の関節付近に発症することの多い腫瘤(しゅりゅう)です。しかしながら水泡にはならず、あきらかな腫れですので見た目で区別することは難しくありません。比較的硬く押さえたときに痛みを生じます。放置しておくと関節の動きに支障をきたしてしまいます。
特にリウマチの場合、症状はみるみる進行してしまいます。また、へバーデン結節からガングリオンを併発することも少なくありません。その因果関係は明らかではありませんが、へバーデン結節も、またリウマチにしろ、女性の方に多い症状ではあります。
ガングリオンか、マメか、火傷か、へバーデン結節か、リウマチか?わからないときは速やかに病院へ行きましょう。総合病院、あるいは整形外科を受診すると、あらゆる場合に対応できます。
まとめ
ガングリオンの痛みと他の疾患の痛みとの違い
そもそもガングリオンって何?
ガングリオンの発症メカニズム
マメ・火傷との違い
へバーデン結節やリウマチとの違い