生まれつきまぶたが分厚く下に下がり気味なことを気にされている方は少なくないことでしょう。この状態を 眼瞼下垂 といいます。
今は視力に問題がなくても、いずれ困る前に 手術 をして改善するのも賢い選択です。
眼瞼下垂は手術で治る?失敗したら外出できない?
生まれつきは少ない
眼瞼下垂とは、お顔を正面に向けたときにまぶたが瞳孔の上まで上げられないことを指します。両側のケース、片側のみのケースどちらもみられます。
健康面での心配よりも外見的にからかわれたりしないかなど、生活面での心配が先立つ保護者の方もいらっしゃることでしょう。
眼瞼下垂は主として先天性眼瞼下垂(生まれつきのもの)、後天性眼瞼下垂(生まれたときは眼瞼下垂ではなかったがその後まぶたが下がってきた)、偽眼瞼下垂(一見したところ眼瞼下垂のようにみえるがそうではない)の三つに分類されます。
後天性眼瞼下垂がいちばん頻度が高いようです。原因や程度によっては治療が必要な病気で美容外科とは異なりますので、余計な心配はなさらずに眼科へ行くことをお勧めします。
先天性眼瞼下垂は、まぶたを上げ下げする筋肉である上眼瞼挙筋の発達やそれを動かす神経の発達異常によるものと考えられています。
生まれつきまぶたが下がっているのは親の容姿の良し悪しが原因ではないのです。
おおよそ80%は片側性でほとんどのケースは視機能障害を及ぼすことはありませんし、病院へ行き診察を受けてすぐに手術をということも通常はないことです。
しかしごくまれなケースとして、弱視や斜視の原因となったりこれらを合併していることもありますので、お子さんであれば早めに一度診察してもらうべきです。
ご家族がまったく気にしなかったために一度も病院へ行かないまま成長してしまったという方も、学校の視力検査などで問題がなかったのであれば心配はないと考えられますが、一度眼科でみてもらっても良いでしょう。
ある日突然気になり始める
後天性眼瞼下垂は、生まれたときはふつうにまぶたが開いていましたが成長するにつれて少しずつ、あるいは急にまぶたが下がってきた状態です。多くのケースは数年間かけて少しずつ下がってくる腱膜性(けんまくせい)の眼瞼下垂です。
腱膜とは上眼瞼挙筋の末端部の膜のことで、この部分やその周辺が伸びたり緩んだりします。
原因は加齢によるものが多いですが、内視手術(白内障や緑内障の手術、硝子体手術など)の経験や昨今はハードコンタクトレンズの長期装着者にも生じやすいことが明らかになっています。
腱膜ではなく筋肉や神経のほうに原因があることもありますので、眼科でみてもらい納得がいかないときはもう一件よその病院でみてもらいましょう。
最後に偽眼瞼下垂ですが、眼下痙攣や眼下皮膚弛緩症、眼球陥凸、眉毛下垂、小眼球症などにより一見すると眼瞼下垂のようにみえる状態をいいます。
真偽は素人目には判断できませんので、診察には行きましょう。
子どもも気軽に手術
視機能に異常や今後の懸念がみられる場合は、手術を検討します。先天性眼瞼下垂や腱膜性眼瞼下垂に対してはまぶたを上げる手術を行うことになります。むずかしい手術ではないのですが、さすがに乳幼児が急いでするような病状ではありません。
お子さんのお写真の見栄えを良くしたいなどというお考えはあきらめたほうが良いでしょう。
小児は全身麻酔、個人差はあるものの10才くらいからは局所麻酔での手術が可能です。成人後は個人の条件が整えば局所麻酔で日帰り手術でも行うことができます。
眼瞼下垂は視機能に問題がみられなければ一度も診療を受けることなく人生を過ごされる方も多いですし、眼瞼下垂について知識のない方々から美容整形だと偏見をもたれることもないとはいいきれません。
しかし相手が説明する必要のある人物であれば説明すれば良いのですし、ないのであれば気にしないことです。顔の印象が変わるとご本人も周囲も慣れるまで緊張するのは仕方がありません。
眼瞼下垂でなくとも病気や加齢によって顔つきや目つきは変わります。必要だと判断したら自信をもって手術を受け、堂々と楽しく過ごしましょう。
まとめ
眼瞼下垂は手術で治る?失敗したら外出できない?
生まれつきは少ない
ある日突然気になり始める
子どもも気軽に手術