皆さんは ぎっくり腰 になったらまずどうされるでしょうか。ご自宅であれば横になり、外出先であれば必死の形相で倒れこむようにして周りの方々に訴えるなど方法はいろいろあります。
ですが、いつまでも安静にしていることはありませんし、かえって悪化する可能性も高いのです。安静にしているとどのような弊害が生じるのでしょうか。
ぎっくり腰になっても安静はダメ?!
動かしたほうが良い?
ぎっくり腰の正式名称は急性腰痛炎といいます。文字通り急に電気が走ったような衝撃に襲われます。その痛みがトラウマとなり、少し良くなってからも用心深く腰をいたわるように生活されている方もいらっしゃるようですが、それではいつまでたってもバッチリ全快となる日は訪れません。
ぎっくり腰になった腰は、筋肉がギューッと縮んでいるような状態です。その筋肉が痛みの原因なのですが、ひたすらじっと安静にしていると筋肉がますます固くなってしまい、治りにくくなります。
思い切って少しずつ動かしたほうが治りも早くなりますし、本当に治ったのか違和感を覚えることも少ないのです。
例えば指にケガをして、いつまでも絆創膏をして指を白くするよりも、少し傷が塞がったら外気に当てるほうが治りが早いのと同じことです。
原因は多種多様
必ずしも重いものを持ったときに発症するとは限りません。それ以前の疲労の蓄積によって少しずつ導火線が短くなり、腰が限界に達したときに一気にくるのです。いろいろな姿勢や動きをする家事をしている方よりも、同じ姿勢をとり続けるお仕事をされていらっしゃる方のほうがなりやすいです。
トラックやタクシーの運転手さん、オフィスワーカーの皆さん、工事現場や工場の方などが当てはまります。腰骨や背骨の周りの筋肉が順調に固まってしまい、ほんのちょっとした動作でもぎっくり腰を招くことがあります。
また上記のお仕事に従事されていなくても、猫背など姿勢の悪さに自覚のある方は将来ぎっくり腰になる危険があります。姿勢が悪いと骨格が歪みます。骨格が歪むと身体の左右のバランスが悪くなり、筋肉はバランスをとろうと頑張るうちに疲労がたまって腰痛の引き金になります。
そして肥満や運動不足もいけません。過度の体重オーバーは腰に負担をかけ過ぎですし、慢性的な運動不足は筋力を弱まらせています。健康体で動物らしく動き回る時間をつくる必要があります。
手当てと症状の悪化
ギクッとなったらもうなかったことにはできませんから、じっと横になりましょう。ご家族やその場に居合わせた方に、甲斐甲斐しく揉んでもらったりさすってもらうのは悪化の元です。
できれば固めのクッションや枕などで足を高くしてください。そして冷湿布をします。ただしこれは気休めと心得ましょう。長時間張りっぱなしにしていると血流が悪くなり、筋肉がリラックスを通り越して固くなってしまいます。安静・冷却ときたら次は固定です。
コルセットやサラシを強めに巻いて腰を圧迫・固定してください。痛みが多少緩和されます。サラシの場合は胸の下からお尻にかけて広く巻くとより楽に感じると思いますが、動くには不便すぎます。
またコルセットもサラシも1日中身につけるのは厳禁です。どの程度回復したのかご自身でもわからなくなりますし、筋肉が弱まる一方で治りが遅くなります。
発症直後は腰をサポートして安静にするべきですが、動けるようになったら過保護にせずに腰周りの筋肉をほぐすストレッチを始めましょう。
勇気を出して腰を後ろに反らしてみたらまたギクッときてしまったということもあるでしょう。もう一生コルセットと共に生きていくなどと心を折らずにもう一度、安静から始めてください。いうまでもなく、安静にしている間に暇だからと甘いものを食べ過ぎてはなりません。
まとめ
ぎっくり腰になっても安静はダメ?!
動かしたほうが良い?
原因は多種多様
手当てと症状の変化