群発頭痛の有病率は、アメリカでは10万人あたり401人の人が症状を有していると報告されています。発症年齢は通常20才~40才と比較的若く、男性の有病率は女性の3~7倍です。
群発頭痛 の 原因 にはいくつかの説が唱えられていますが、飲酒・喫煙・ニトログリセリンなどでも誘発されます。
群発頭痛の原因と誘発因子
群発頭痛の症状
群発頭痛は目の周りから前頭部、側頭部にかけての激しい痛みが数週間~数か月間群発することが特徴で、夜間や睡眠中に発作が起こりやすく、男性に多いとされています。
また群発頭痛は他の頭痛と区別しにくいため、群発頭痛を疑う場合には詳細な頭痛の記録をとっておくことが重要です。
群発頭痛の診断基準
群発頭痛の診断基準は以下のようになっています。
- 頭の左右どちらかに起こる激しい頭痛が、眼の周り~側頭部にかけて15分~180分以上持続する。
- 発作頻度が1日2回~8回
- 頭痛と同時に少なくとも下記の1つ以上の症状を伴う。
- 目の結膜充血もしくは涙が流れる。またはその両方。
- 鼻詰まりもしくは鼻水。またはその両方。
- まぶたのむくみ。
- 前頭部および顔に発汗。
- 縮瞳もしくはまぶたが垂れ下がる。またはその両方。
- 落ち着きがない、または興奮した様子。
別の病気などの原因が考えられなく、1~3を満たす頭痛発作が5回以上ある。
反復性群発頭痛
7~365日群発頭痛が続く群発期が、1か月以上の寛解期(頭痛がなく、楽な時期)をはさんで2回以上起こる。通常、群発期は2週~3か月続く。
慢性群発頭痛
1年を超えて発作が繰り返され、寛解期がないか、あっても1か月未満の場合。
群発頭痛の原因
群発頭痛の原因ははっきりと解明されていません。
視床下部原因説
群発頭痛の患者では、脳の視床下部から放出される、1日の生体リズムに関係するホルモンのメラトニンなどに変化がみられることにより、生体リズムに変化が起こっている可能性があります。群発頭痛の発作時には視床下部が活性化されていることが証明されています。
三叉神経血管系が原因となる説
群発頭痛患者の発作期に三叉神経血管系の活性化が起きていることが証明されています。三叉神経血管系が活性化することにより、神経に関係するタンパクが変化して、血管拡張作用を起こしている可能性があります。
内頸動脈の周囲に原因がある説
内頸動脈が何らかの理由によって拡張し、眼への血流が増加したり、周囲の炎症を惹起して神経系への影響を及ぼしている可能性があります。
三叉神経系が過剰興奮している説
群発頭痛患者の諸症状(鼻詰まり、涙など)の原因としては、三叉神経系の過剰興奮が考えられます。また三叉神経系の過剰興奮により前述の神経タンパクが変化して、血管拡張作用を起こしている可能性があります。
その他
女性ホルモンなどの異常が原因である、遺伝的背景などの検討もなされていますが、今のところまだ明らかではありません。
群発頭痛の増悪・誘発因子
群発頭痛の憎悪・誘発因子としては、飲酒、ニトログリセリン、ヒスタミンなどが挙げられています。群発頭痛の患者には、多量の飲酒習慣やヘビースモーカーの人が多いです。
近年男女間の有病率の差が縮まってきていますが、生活習慣の変化、特に喫煙との関連が深いとされています。
群発頭痛の治療
群発頭痛の発作期にはトリプタン系薬剤や酸素吸入が選択されます。消炎鎮痛剤なども使用されますが、有効性は確認されていません。
群発頭痛の予防療法には有効な治療法が少ないため、カルシウム拮抗薬・エルゴタミン・バルプロ酸・神経ブロック療法など症状によって様々な治療法が選択されます。しかしながらどの治療法も有効性が確立されているわけではありません。
まとめ
群発頭痛の原因と誘発因子
群発頭痛の症状
群発頭痛の診断基準
群発頭痛の原因
群発頭痛の増悪・誘発因子
群発頭痛の治療