最近、 背部痛 が気になるという方はいらっしゃいませんか。その原因は、姿勢が悪く猫背である、敷布団やマットレスが合っていないということも考えられますが、からだに響いたりうずくような重い痛みが続く場合は、深刻な病気のサインである可能性もあります。
ご自身に当てはまる症状がないか、確認してみましょう。
背部痛を伴う怖い病気
背中が痛む内科系の病気
まず疑われるのは、「風邪やインフルエンザ」です。背中の痛みのほか、関節痛、筋肉痛、頭痛、発熱、だるさ、寒気、吐き気、下痢、咳、鼻水、くしゃみ、鼻の詰まり、ノドの痛みなどが典型的な症状です。
ふつうの風邪は小さいお子さんやご高齢の方、虚弱体質の方など以外の皆さんは病院へお薬をもらいに行かなくても、ご自宅で水分と栄養を摂って安静にしていれば大抵は治ります。ただし、悪化させて肺炎を発症することがありますので治りが悪いな、とピンと来たら病院へ行ってみましょう。
インフルエンザは、予防接種をしていてもワクチンの型と感染型が異なる場合、発症しますので「予防接種をしたからこれは風邪だ」と決めつけずに、流行期であれば早めに病院で診察を受けてください。
もう一つ、風邪とよく似た症状の「胸膜炎」があります。肺を包んでいる胸膜に炎症ができたものです。風邪や肺炎の悪化で発症することが多いので、風邪は初期に治すに限ります。たとえば、少し風邪気味なのに習慣だからとウォーキングに出かけたりするのは考えものです。
このほかにも背部痛を伴う疾患は、神経系、子宮、食道、小腸・大腸、腎臓、肝臓、膵臓、胆のうなど内臓と背中は表裏一体のような関係であるので症状が出やすいのです。
循環器系で多い病気
心臓や血管の病気は今すぐ命に関わることもありますので、見逃して手遅れになる事態は避けなくてはなりません。
「狭心症」は、心臓に送られる血液が不足する病気です。背中や左胸の周辺が痛みます。動脈硬化などが原因と考えられていますので、生活習慣や食生活を改善することである程度の予防が期待できます。
同じ原因で、「心筋梗塞」は血管が詰まり心臓に血液が送られなくなるという非常事態の疾患です。
胸の激痛を伴い、場合によってはそのまま意識を失い死に至るケースも珍しくありません。一命を取り留めても寝たきり状態や半身不随になるケースが多く、できればなりたくない病気のトップです。
病気ではない背部痛の原因
一つは、「老化現象」です。これは避けては通れない道です。背骨はからだのなかでいちばん大きい軟骨です。軟骨は老化が早いので痛むことは徐々に増えていきます。
ヘルニアや骨の変形などが神経を圧迫することもあります。老化を少しでも遅らせるには、バランスのとれた食事と骨を強くする運動が欠かせません。
二つめは、「精神的ストレス」です。ストレスが原因でお腹が痛くなったり睡眠不足になったりすることはご存じかと思います。睡眠不足で疲れが残り、それが続くと内蔵に負担がかかります。そうなると筋肉の状態も不安定になり、背骨が歪んで背中の痛みを感じるようになるのです。
背中が痛いというストレスも加わり、なかなか完治するのは困難になります。
三つめは、「筋筋膜痛症候群」です。いわゆる筋肉痛です。ふだんあまりからだを動かさない方が、誘われてテニスをしたり、お引越しのお手伝いをしたり、犬のお散歩に行ったりするとご本人の筋肉にとっては使いすぎの状態になります。
急性の筋肉の障がいが起こり、全身が凝っているような感覚が背中にも伝わり、痛むのです。健康な方であれば、1晩2晩休めば心地よい疲れとともに治まります。
しかし、ぎっくり腰やその一歩手前くらいのダメージを受けた方は、尾を引くことも覚悟して一度病院へ足を運んでみることをおすすめします。
まとめ
背部痛を伴う怖い病気
背中が痛む内科系の病気
循環器系で多い病気
病気ではない背部痛の原因