鼻水と喉の痛みに因果関係があると想像される方は少ないことでしょう。鼻水といえば鼻から出てくるもので、量が増えると鼻をかんで対処して事が済みます。しかし、 鼻水 が止まらず 喉の痛み も治まらないとなると風邪ではない可能性があります。
ご自身の今の状況を考察してみましょう。
地味だけど侮れない!鼻水と喉の痛みの正体は?
鼻水が喉を通ると…
風邪をひいたときに、鼻水や痰をうっかり飲み込んでしまって喉を通っていく感覚を思い出せるでしょうか。ときどきであれば喉の負担もほとんどないですが、日常的になると喉もつらくなってきます。鼻水や痰は本来、外へ排出するべき雑菌のかたまりです。
食べすぎが一因で咽頭ガンや食道ガンになることがあるように、喉に負担をかけることは命取りになることもあるのです。実は健康な状態でも鼻水は1日1リットル以上つくられていて、そのほとんどは喉へ流れています。
気づいていないのは水のようにサラサラで、血液の流れを感じないのと同じです。鼻水が鼻の穴から前(外)に出ることを前鼻漏(ぜんびろう)といい、喉側に流れることを後鼻漏(こうびろう)あるいは後鼻漏症候群といいます。
蓄膿症(副鼻腔炎)や鼻炎を発症すると、鼻水の量が増えるとともにネバネバの強いもので飲み込むのも違和感を覚えます。
最もつらいのは就寝中で、横になると喉に鼻水が溜まるために呼吸困難になり、睡眠不足、心身のストレス、吐き気、だるさ、肩こりなどに悩まされるようになります。
蓄膿症や風邪(細菌性)鼻炎になると、これらに加えて口臭、喉が痛い、喉が出るという症状もみられるようになります。鼻水をすすってはいけない、かみなさいといういいつけの由来もここにあります。
周りに気づかれにくいつらさ
一見したところ病気にはみえにくいため、周囲の理解やいたわりを得られにくいというのも耳鼻咽喉科系の症状のつらいところです。
慢性的な蓄膿症やアレルギーのような方々はいくらでもいるし、それほどのものでもないのではと考えてしまいがちですが、悪化するとうつを発症することもあります。
朝~夜まで鼻水が口へ流れてくるようならすぐに病院へ行くべきです。これが鼻水ではなく血液であれば病院へ飛んでいくところを、鼻水だと少し経過をみようと先延ばしにするケースが多いようです。
食事もとりにくくなり、吐き気にも度々襲われ、睡眠不足でフラフラになって良いことはありません。鼻水くらいで休みをとるのは申し訳ないと気が引けるかもしれませんが、我慢してフラフラ状態のほうが効率は明らかに下がっています。
このまま自然に治りそうもないというのはご自身でわかるかと思いますので、早めに受診しましょう。
鼻水以前の原因も
蓄膿症(副鼻腔炎)や鼻炎以外の原因もいくつか考えられます。
一つはお鼻の中に腫瘍(できもの)ができているケースです。鼻の中に限らず、何か障害物があれば流れは滞ります。鼻の中に腫瘍ができると前へ流れ出にくくなり、自然と喉へ流れてきます。鼻の中に指を入れてみて、何か変わったものはないか確認してみましょう。
爪を整えたほうが安全ですが、爪を切るなんてできないという方はご家族に協力してもらうなりして、確認できなくても奥のほうに違和感があるようなないような、心配なら耳鼻科へ行きましょう。
もう一つは自律神経の乱れによるものです。交感神経と副交感神経のバランスが崩れる原因はストレスや睡眠不足などさまざまありますが、慢性的な疲労や緊張によって呼吸が浅くなり、後鼻漏気味になってしまうこともあります。
後鼻漏になるとその症状のストレスも加わりますから、ますます自律神経が不安定になり自律神経失調症を発症する可能性も高くなります。
ご自身ではストレスに強いと自信があっても、何らかの原因で心身のバランスが崩れると思っている以上にもろいものです。ほどほどの前向きさでからだをいたわると良いでしょう。
まとめ
地味だけど侮れない!鼻水と喉の痛みの正体は?
鼻水が喉を通ると…
周りに気づかれにくいつらさ
鼻水以前の原因も