へバーデン結節 とは、指の第一関節が左右対称に膨れ上がるように変形してしまうという原因不明の難病です。原因がわからないということで、難病と指定されています。しかしながら完治したという報告もあります。リウマチやガングリオンとの違いと、さまざまな 治療 法についてご案内します。
へバーデン結節の効果的な治療法
へバーデン結節とはどんな症状?
へバーデン結節は、おもに手指の第一関節に発症します。指関節の左右が同じように腫れあがり、痛みをともないます。変形性関節症のひとつとして、関節にある軟骨の劣化や摩耗、あるいは溶けだした骨による変形などが、要因のひとつとして考えられています。
しかしながらはっきりとした原因はつかめてはいません。40代からの女性に多く発症しているのが特徴です。男性の場合は50代から、それでも女性の発症率の10分の1にも満たない数値を示しております。
遺伝性の要素もあるといわれ、母娘や姉妹の血縁においては、比較的高い発症率を示しております。また職業別にみますと、給食係の女性に多く発症した例もあります。これらはあくまでも、これまでの発症事例に過ぎません。まだまだ謎の多い病気といえます。
リウマチ・ガングリオンとの違い
へバーデン結節と混同しがちな病気にリウマチとガングリオンがあります、リウマチは、関節の中でもおもに滑膜(かつまく)が侵されてゆく関節炎のひとつです。本来なら自分を護ろうとするはずの免疫機能が自分の身体を侵してしまうという代表的な膠原病(こうげんびょう)のひとつです。
そのため手足のみならず、脊髄、血管、皮膚といったあらゆる部位において発症することもあります。この点でもへバーデン結節とは区別できます。腫れるというよりは、変形していくといった方が適切かもしれません。関節のこわばり、痛みをともない、動かすことが困難になります。
ガングリオンとは、関節付近にできる腫瘍(しゅよう)です。水泡のように柔らかく、押さえても痛みを感じることはありません。この違いはわかりやすいと言えるでしょう。
骨とはまったく関係のない良性の腫瘍です。ただし大きくなりすぎて神経を圧迫することはあります。その場合は切除が必要になります。またへバーデン結節からガングリオンを併発することもあります。
治療法と付き合い方
根本的な治療法というのは、今のところ見当たりません。したがって対処療法が中心になります。発症したら、くれぐれも患部の安静を心がけ、無理をしないことです。痛みのひどい場合には、冷やしたり、消炎鎮痛剤を投与したりして対処していきます。
悪化を防ぐために効果的なのが、テーピングや装具による固定です。症状に対して早めに対処しておくと、変形や腫れの進行を抑えることができます。ただしテーピングの場合、一時的に痛みから解放されてしまうので、外したときの反動で強い痛みをともなうことがあります。
きつく締めすぎない注意が必要です。へバーデン結節で整形外科を受診すると、プラスチックの装具による固定や夜間のテーピングを指示されます。昼間は消炎鎮痛剤の塗布とプラスチック製の手袋の着用による手指の保護がおもな治療となります。
炎症の状態によって電気治療や温熱療法も行われます。また直接水でぬらさないなどの指導も受けます。
あまりにも腫れがひどい場合には、手術という選択肢もあります。関節を固定する関節固定術、あるいは関節形成術、骨棘(こつきょく)の切除手術などが行われます。関節固定術の場合、抜糸までに2ヶ月、完治までに6カ月~12ヶ月と長い期間を要します。
腫れと変形はなくなり、見た目はすっきりとした指先になります。ただし指の第一関節は完全に動かなくなります。日常生活に支障がなければこのような選択もなされます。
最近では人工関節置換術や骨移植などの新たな手術法もようになりました。しかしながらよほどの重傷でないかぎり、手術という選択をされる方は多くはありません。それは原因不明であるがゆえに、再発の可能性を否定できないからです。
精神面、身体の歪み、あるいは生活習慣に原因を探る治療法もあります。事実、コーヒーを毎日飲んでいた方が、医師の指示によりコーヒーを止めたところ、へバーデン結節が治ったという事例もあります。原因不明であるということは、このように何でもないことで治る可能性もあるということです。
病は気から!不治の難病とあきらめずに、楽観的に日常を見直していくことがもっとも効果的な治療法かもしれません。
まとめ
へバーデン結節の効果的な治療法
へバーデン結節とはどんな症状?
リウマチ・ガングリオンとの違い
治療法と付き合い方