変形性膝関節症 ときいてどのようなイメージをお持ちになるでしょうか。徐々に膝の関節が変形してしまって下手をすると歩けなくなるのでは、という想像は大げさではありません。
いきなり一瞬で変形して歩けなくなるということはなく、必ず 原因 があります。思い当たることがないか、確認してみましょう。
変形性膝関節症とは?原因を知って予防しよう
なぜ変形してしまうのか
膝を痛めるのは中高年から増えてくる症状ですが、変形するのも珍しい症状ではなく一般的なものです。これはお察しのとおり膝関節のクッション的な役目を果たしている軟骨がすり減り、痛みや腫れを引き起こしています。
それがときどきではなく慢性化すると、やがて関節が変形してしまい変形性膝関節症の発症となります。膝の内部では、すり減って破壊された関節の骨片や軟骨のかけらが原因となって滑膜が炎症したり、悪化すると水(関節液)が関節に溜まって腫れることもあります。
最初のうちはガマンできないこともないでしょう。
しかしそのまま病院へも行かずに放置すると、関節の動きが悪くなって日常生活に支障をきたす危険性もありますし、軟骨の下にある骨の硬化や骨棘(こつきょく。突起状に骨が飛び散る)を招くと自然に治ることはありません。
痛みをガマンしていて良いのは、食べ過ぎや飲み過ぎのときの腹痛くらいです。膝が変形すると将来的にどうなるか、心配し過ぎるということはありません。早めに整形外科や形成外科へ足を運び、治療を受けましょう。
病院へ行く前に整体院などへ出入りすることはお勧めしません。
前兆は必ず自覚できる
変形性膝関節症には、原因によって一次性関節症と二次性関節症にわけられています。多くの皆さんが発症されるのは一次性関節症で、原因がはっきりとしないこともあります。加齢やストレス、肥満や疲労などさまざな要因が重なって発症に至ると考えられています。
他方、二次性関節症はケガや病気などが発端となります。骨折や靭帯・半月板の損傷や、関節リウマチ、痛風などが代表的で骨や関節の弱い日本人に特に多いようです。
ご自身で改善できるのは肥満やストレス、疲労などですがこれらの負担を減らすことに成功したとしても膝の痛みが解消することはほとんど期待できません。ですが、解消しないからと努力をしないのももったいないことです。
特に膝関節のような24時間動かしている自覚のある関節は、少しの痛みの増減でもつらさが全く異なってきます。朝起きたときに昨日よりも楽な気がするという気分の問題は大きいものです。思い込みによって痛みや体調は変化します。
膝の痛みは腹痛や頭痛よりもガマンしやすいため、ついつい足が病院から遠のいてしまいがちですが、手遅れにならないうちに先手を打つつもりでササッと行きましょう。
生活習慣によるもの
明らかに運動不足、栄養過多の方はそれがいちばんの原因です。膝関節は骨、筋肉、靭帯といった組織の適度な運動によって鍛えられています。
運動不足になると負荷や刺激を受けることが少なくなり、弱く頼りない関節が形成されてしまいます。強く屈強な膝関節を取り戻すには、タンパク質、カルシウム、脂肪、ミネラルなどのバランスのとれた摂取と運動が欠かせません。
一時的に鳥のササミを食べて牛乳を飲めば良いというものではなく、継続して和食中心の食生活と間食を減らすことが必要です。
栄養不足でも膝関節は弱ってしまいますので、加減が大切です。痩せすぎでも膝関節がカクカクしてしまいますので、適正な体重を維持しましょう。
運動はしていないけれど肉体労働をされている方は、膝関節が疲労困ぱいして発症のリスクを高めている恐れがあります。その場合は、お風呂にゆっくり浸かって足裏から太ももにかけて入念にマッサージをしましょう。
特に膝の裏はていねいに揉みほぐしましょう。O脚の方で今までに一度も病院でみてもらったことがない場合は、一度病院へ行くと良いでしょう。O脚が1cmでも改善されれば膝の違和感はかなり軽減しますし、将来の変形性膝関節症を予防することにもつながります。
歩けるうちに歩けなくなるご自身を想像することはむずかしいですが、積極的に治療を受けておいたほうが後悔が少なくて済みます。
まとめ
変形性膝関節症とは?原因を知って予防しよう
なぜ変形してしまうのか
前兆は必ず自覚できる
生活習慣によるもの