現在、日本人の約10人に1人が偏頭痛に悩まされているのをご存知でしょうか。体験した方だけが理解できる強い痛みそして吐き気を伴い、女性に多く起こっているのも偏頭痛の特徴です。
ここでは、 偏頭痛 の前兆、 原因 そして発症メカニズムについて、詳しくご紹介いたします。
過度のストレス?多くの女性が悩んでいる偏頭痛の原因解明
偏頭痛とは
偏頭痛は、主に頭の片側あるいはこめかみから目のあたりにかけて、脈を打つような大変強い痛みが起こる、一種の頭痛です。数時間で治まる方もおられますが、長くて3日間も続く方もおられます。
偏頭痛の原因と発症のメカニズム
偏頭痛が起こる原因は、頭部の血管の拡張および炎症によるものです。発症のメカニズムには2つの考え方があります。
まず1つ目は、血小板から「セロトニン」が過剰に放出されるためです。「セロトニン」の過剰放出には、過度のストレスが関係しています。
私たちは、ストレスを感じると血小板から血管を収縮させる作用をもつ「セロトニン」を大量に放出します。時間が経過すると、「セロトニン」は分解され排出され減少してゆきます。すると、収縮していた血管が今度は反動として急激に拡張するため、頭痛が起こるというものです。
次に考えられているのは、なにかしらの要因が脳神経の三叉神経を圧迫そして刺激するためです。刺激を受けた三叉神経からは痛みの原因となる物質「神経ペプチド」が放出され、頭部の血管周囲で炎症が起こります。
さらに、三叉神経の末端から血管を拡張させる作用をもたらす神経伝達物質が分泌され、それによって血管が拡張し、周囲の神経も刺激され、その刺激が大脳に「痛み」として伝わり、頭痛が起こるというものです。
偏頭痛と月経の関係
月経関連偏頭痛といって、月経開始2日前から月経3日目まで偏頭痛が起こる方がおられます。普段の偏頭痛よりも、痛みが強い、持続時間が長い、鎮痛薬も効かない、といった特徴を持っています。
月経が近づくと、またか、という具合です。月経関連偏頭痛の方は、市販の鎮痛剤を乱用しないためにも、医師へ相談し適切な治療を受けてください。市販の鎮痛剤を乱用して薬物乱用頭痛という別の頭痛になることもあるので絶対に注意してください。
偏頭痛の痛みの特徴
ズキンズキンといった脈を打つような痛みが頭の片側のみ(稀に両側)で起こります。継続時間は、4-72時間。頻度は、月に1-2回程度、多くて週に1-2回。1―2時間で痛みはピークに達します。
吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。日常生活では、動くこともできず、仕事や勉強や家事などに支障が出る、あるいは痛みがひどく寝込む方も多いです。
動くと悪化しますが、逆に動いてるほうが痛みが治まる方もおられます。多くの方で姿勢を変えるあるいはちょっと頭を傾けるだけでも激痛が走ります。胃がむかむかする、光がまぶしく感じる、普段気にならない音がうるさく感じる、においに敏感になる方もおられます。
偏頭痛の前兆
前兆がみられるのは約20-30%の方です。まず目の前にチカチカと光るフラッシュが現れ、視野の片側あるいは中心部が見えにくくなる閃輝暗点(せんきあんてん)が起こります。
閃輝暗点は、最初は小さなチカチカした光ですが、その後、ギザギサしたガラスのような光、オーロラや万華鏡のような模様など人によって様々な状態になります。
続いて、手足のしびれ、感覚異常(感覚が鈍くなる)、失語性言語障害(言葉が話しにくくなる)が起きることもあります。
前兆は15-30分で消失し、偏頭痛へと続きます。また、前兆とまではいわなくとも、なんとなく、これから頭痛が起きそうだ、という漠然とした予兆のようなものを感じる方もおられます。
だるい、イライラする、食欲が異常に出る、身体がむくむ、甘いものを無性に食べたくなる、眠気をかんじる、などです。
ストレスからの解放
偏頭痛の原因の1つに、過度のストレスによるセロトニンの過剰放出があります。私はストレスとは無縁だからと思っている方も、知らないうちにストレスになっていることがあるかもしれません。
偏頭痛に悩まされている方は、偏頭痛が起こったタイミングやサイクルなどを意識的に記録してみると良いでしょう。偏頭痛が起こった近辺で、仕事、人間関係、私生活そして約束やイベントなどでストレスを感じていたかもしれません。
自分なりのストレス解消法があれば実戦して、なるべく偏頭痛が起こらないような工夫をしてみましょう。
まとめ
過度のストレス?多くの女性が悩んでいる偏頭痛の原因解明
偏頭痛とは
偏頭痛の原因と発症のメカニズム
偏頭痛と月経の関係
偏頭痛の痛みの特徴
偏頭痛の前兆
ストレスからの解放