皆さんは 肘痛 になったとき、どのような処置を施されていらっしゃいますか。湿布を貼ったりお薬を塗ったり、なるべく肘をかばうようにして生活しようと努めるのではないでしょうか。ところが誤ったかばい方をし続けていると、関節の動作が元に戻らないまま変なくせがついてしまうこともあります。
ふだんは視界に入りにくい肘や関節の仕組みをおさらいしてみましょう。
肘痛の原因と対処法
肘痛を引き起こす動作
肘の痛みの原因は、肘の使いすぎというよりは手首や指を使いすぎによるものです。手首や指を動かすときに使う筋肉は、肘まで伸びています。たとえば手を握る、手首を折り曲げる動きをするときには、必ず肘周辺の筋肉が盛り上がります。意識するとそれがよくわかると思います。
物を持ったりつかんだりという動作をしすぎると、肘や手首に負担がかかりすぎて肘関節につながる筋肉やじん帯を痛めてしまい、神経を刺激するのです。こうして発生する肘痛は、関節の炎症、いわゆる関節炎です。
肘をかばって、からだの動きが小さくなったり、からだを動かすのがおっくうになると悪循環です。からだが硬くなって痛みも悪化していきます。
肘関節の説明を求められたら、大抵の方は「伸ばしたり曲げたりする骨」などとお答えになるのではないでしょうか。
肘関節は、3つの骨からなる関節で上腕骨の末端と2本の前腕骨で構成されています。2本の上腕骨はそれぞれ橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)とよばれ、これら3本の骨が組み合わさることで肘関節は機能しています。
また肘の周りには筋肉や腱、軟骨があり、肘関節を支えて安定性を保っています。これらの肘の軟部組織は肘を動かすだけではなく、手首や指の曲げ伸ばしなどの動作にも関係があります。
肘関節が痛む疾患
関節に炎症をきたす疾患の多くは症状が重いものが多くあります。男性に多いのは痛風、女性に多くみられるのは関節リウマチです。
ほかに、肘内障、腱鞘炎、肘部管症候群、野球肘、テニス肘、ゴルフ肘などが多くみられます。肘は、膝関節や股関節のような体重が多くかかる関節ではないため、変形性股関節症を発症する割合は高くありません。
しかし、脱臼、骨折などを引き起こしやすいスポーツや、肉体労働や美容師などじん帯や関節軟骨に負担のかかりやすい職業は、変形性肘関節症になる危険度が上がります。
肘関節を形成している骨の先端は関節軟骨に覆われており、衝撃を緩和するクッションの役目を果たしていますが、その関節軟骨が肘の酷使によってすり減ると痛みを伴い骨が変性し骨棘ができます。
効果的なテーピング・サポーターの使用法
テーピングやサポーターは、肘の痛みを和らげるだけではなく、肘の動きを楽にスムーズにする効果もあります。また肘痛の原因は手首と連動しているのですから、リストバンドなど手首のサポートも同時に行えば、更なる効果を期待できると考えられます。
テーピングやサポーターは関節の動きを一定程度制限して痛みの悪化を防ぐものですが、肘の動きの偏ったクセを抑制し疲労を緩和する役割も果たしています。、しかし、頼りすぎると逆に治癒機能を弱める可能性もあります。いつも腹巻をしていてかえって胃腸が弱くなるのと同じ理屈です。
肘痛の予防・再発防止には、肘周辺の筋肉に対してストレッチや筋力トレーニングを積極的に行うのも良いでしょう。肘関節につながる筋肉を鍛え柔軟にしておくことは怪我の防止につながります。
肘の慢性的な痛みに対しては、その原因の特定が最優先です。自己判断でテーピングなどせずに、病院で診てもらいましょう。
まとめ
肘痛の原因と対処法
肘痛を引き起こす動作
肘関節が痛む疾患
効果的なテーピング・サポーターの使用法