痛風というとまず始めに足の指先がピリピリし始めるというイメージが強いかもしれません。
膝 が痛くなってきたら 痛風 の症状としてはかなり進行しているところです。歩くのがつらいのは一大事ですから、どの段階で病院へ行くべきか検討してみましょう。
痛風?とうとう膝が痛いときの対処法は
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不摂生の代償
痛風は遺伝だから仕方がないとあきらめていらっしゃる方も多いようですが、症状を緩和することはできます。痛風の原因は体内の尿酸です。尿酸が増えると身体の関節のあちらこちらが痛みます。
健康診断や人間ドッグの血液検査で尿酸値8.5mg/dl以上の数値が出ると危険です。必ず医師から一言叱責を頂戴することになるでしょう。もはやいつ痛風の症状が起こってもおかしくない状況です。
健康診断の1週間ほど前から食生活を控えめにして尿酸値を下げようと努力している方もいらっしゃいますが、それを一年中続ければ良いのです。
尿酸値が高くなる原因は主として生活習慣と遺伝ですから、人間ドッグの前だけというのは褒められた行いではありませんが、理屈は合っています。
生活習慣を振り返るまでもなく食べすぎ飲みすぎ運動不足の方は、尿酸値が高くなるのは自然なことです。
生活習慣にまったく問題がみられないが尿酸値が高い方は、遺伝の可能性があります。身内に痛風を発症している方がいらっしゃるのであれば、医師にも伝えておきましょう。
尿酸の量を左右する遺伝子の存在は明らかになってきていますが、根本的な治療法が確立していないためできることが限られています。
足の指の付け根に限らず、関節が痛むことに気がついたらすぐに病院へ行きましょう。早い段階で治療を開始すれば膝まで痛み出す時期を遅らせることができます。
発作のループにはまると
手足の指先に痛みがあるという状態は、ガマンしようと思えばできないことはありません。いちばん最初の痛風発作はガマンしていると10日前後でおさまります。
ヒトは忘れる生き物で痛みから解放されると割とすぐに「なんだったんだろう…でも治ったからいいか」となってしまいます。健康意識の高い方は「何日から何日まで痛みがあった」と記録したりするかもしれませんが、記録して放置したのではほとんど意味がありません。
もし痛風であれば1年以内にまた同じような発作に見舞われて思い出すことになります。
1回目の発作のときに病院へ行く気になるのがいちばん良いのですが、2回目の段階でもまだ「早めに来てよかった」と医師に褒められるでしょう。3回目くらいからは痛みの範囲も広がり始めて発作が起こる間隔も短くなってきます。
ここまでくると膝が痛み始めるのもまもなくと覚悟しましょう。歩くどころか起き上がることも難儀になります。足の指が痛いけれども歩けるという段階で病院へ行くのが賢明です。
エセ痛風?
「偽痛風」という痛風によく似た症状の病気があります。血液検査を行なっても尿酸値は正常ですが、痛風のような痛みが起こります。
尿酸の代わりにピロリン酸カルシウムの結晶が関節に沈着することで痛みが生じています。関節は何であれ沈着されると弱いのです。膝や股関節などの大きい関節に異常が出るため、痛風より重い病気かと不安になるかもしれません。
関節が腫れて熱を持ち、動かすと激痛が走ります。ご高齢の方々に多くみられ発症の男女差はほとんどありません。
原因はご高齢者が多く発症する変形性膝関節症と合併して起こることが多いです。その他に手術やケガ(外傷)などのストレスによって発作があらわれることがありますが、確固たる原因の解明はなされていません。
血液検査では異常がみられないため、患者さんのほうから痛みを訴える必要があります。そして初めて関節液を採取して成分を調べたり、ピロリン酸カルシウムの沈着によって関節が石灰化していないかをX線撮影で確認したりという診察をしてもらえます。
治療は薬物療法が中心で非ステロイド性消炎鎮痛剤を用いて痛みを抑えます。炎症が強く痛みが尋常ではない場合は関節の水を抜いてヒアルロン酸注射などを行います。
変形性膝関節症の合併であればその治療も行いますが、どちらにしても完全に膝や股関節の痛みがピタリとおさまるという期待は持たないほうが良いです。
だましだまし生活できるようになればありがたいと心得ましょう。
まとめ
痛風?とうとう膝が痛いときの覚悟は
不摂生の代償
発作のループにはまると
エセ痛風?