膝が痛い !というとき、膝のどこが痛いかによって原因と治療法が大きく変わってきます。膝の外側が痛いとき、 内側 の痛み、膝の皿そのものの痛みなどさまざまな膝の痛みのうち、ここでは膝の内側が痛むときの原因となる疾患についてご案内していきます。
膝が痛い!膝の内側が痛むときに考えられること
靭帯の損傷かもしれません
膝の内側の痛みのうち、もっとも多い原因としてあげられるのが内側側副靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)です。つまり膝のねん挫ということです。内側側副靭帯とは、大腿骨と腓骨をつないで膝の内側を支える重要な靭帯です。
膝が過渡な運動や外部からの衝撃により不自然な方向へひねられたりすると、靭帯が伸びきったり切れたりします。この状態を内側側副靭帯損傷と言います。
膝の内側が痛い!骨折でもないのに膝に力が入らない!という症状の場合には、たとえ途中であっても速やかに作業や運動を中断し、安静にして冷やすことが大切です。
そしてできれば患部が動かないように保護固定しておけば、後々の治療経過がスムーズになり完治までの期間の長さが大きく変わってきます。応急の初期治療を終えたら、速やかに病院を受診しましょう。
鳶足炎(がそくえん)の可能性
とくに無理をしているわけでもないつもりなのに、ごく普通にジョギングしたり階段の上り下りをしているときに膝の内側が痛む場合の原因として考えられるのは鳶足炎です。鳶足炎とは、鳶足包と呼ばれる膝の内側にある三つの筋腱が炎症を起こすことを言います。
この鳶足包は、三つの筋腱の集まった姿が鳶の足の形に似ていることから名付けられました。鳶足炎は、急激な運動というよりは継続による筋肉の疲労から発症します。
したがって常に運動をしている方、スポーツ選手などに発症しやすいと言われています。処置としては休憩をとること、回復するまで安静にしておくことがいちばんの治療となります。
もしかしたら半月板の損傷
半月板とは、膝関節の間にありクッションの役割をする軟骨組織のことを言います。この半月板が損傷するのは、急激な方向転換や高いところからの着地、外部からの衝撃を原因とすることがほとんどです。半月板が損傷すると、膝に引っ掛かったような違和感を感じ痛みをともないます。
半月板の外側が損傷したら膝の外側が痛み、内側が損傷していたら内側が痛みます。痛みは続き、だんだん強くなります。そして膝の曲げ伸ばしができなくなるロッキンフグと呼ばれる状態に陥ります。そこまで症状が進んでしまうと半月板の切除や縫合などの手術をしなければなりません。
手術自体はそれほど大掛かりではなく1時間ほどで済みます。1週間ほどの入院と1~2ヶ月のリハビリの後、運動を再開することができます。損傷が軽度の場合には、温熱療法や保護固定などの保存療法で治療していきます。
半月板損傷は外部アクシデントによる疾患と言えるので、予防策らしいものを考えることは非常に難しいことかもしれません。準備運動とクールダウンの徹底、または体幹におけるインナーマッスルの強化などが、アクシデントを回避する方法のひとつと言えるでしょう。
中高年に多い変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
加齢と共に関節部分の軟骨がすり減っていきます。腰や膝など、常に荷重されている関節部分は、軟骨の摩耗が激しくさまざまな疾患を引き起こしやすくなっています。階段の上り下りのときや正座をしたときに膝の内側が痛むのは、軟骨の摩耗からくる変形性膝関節症によるものです。
症状初期のうちは、痛みもすぐに治まったりして加齢によるものとして受け入れてしまいます。しかしすり減っていく軟骨は元に戻せませんし、老化が進むにつれ軟骨の摩耗は進むのです。したがって単なる老化現象として放置しておくと膝関節の変形も進み腫れや痛みが激しくなります。
むくんだり膝に水が溜まることもあります。治療と言うよりは、症状の進行を遅らせるためにヒアルロン酸の注入などが施されます。また温熱療法や運動療法も効果的です。いずれにせよ加齢との闘いということになります。
適度な運動は肥満を解消し、膝への負担を軽くします。かといって無理は禁物です。規則正しくバランスの良い食事、ストレスフルな生活はアンチエイジングの基本です。
まとめ
膝が痛い!膝の内側が痛むときに考えられること
靭帯の損傷かもしれません
鵞足炎(がそくえん)の可能性
もしかしたら半月板の損傷
中高年に多い変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)