膝痛は、膝のどの部分が痛むかによって違いがあります。ひざの皿のことを膝蓋骨(しつがいこつ)と言います。この膝蓋骨を中心として、痛みの場所、違和感を感じる場所によって様々な疾患が考えられます。 膝痛 みの 場所 による疾患と原因についてご案内します。
膝痛みの場所による病状と原因
膝皿(膝蓋骨)の痛み
膝の皿の円い部分を膝蓋骨(しつがいこつ)と言います。この膝蓋骨を中心にした膝の痛みというものがあります。
症状としては押したときに痛む、またはその周辺が痛む、違和感を感じる、膝の動きが不安定になると言ったケースが見受けられます。
このうち膝蓋骨不安定症(しつがいこつふあんていしょう)は膝の皿が脱臼しやすくなる疾患です。これは関節の接続部位がゆるく、外れやすいためになる症状で、生まれつきの方もいれば、加齢により関節部位が摩耗することにより発症する方もいます。
同じような加齢による骨の劣化を原因とする疾患に膝蓋骨大腿関節症(しつがいこつだいたいかんせつしょう)があります。これは太ももの骨とひざの骨との間接に炎症が起こる疾患です。ひざが腫れたり、ひざの上部に痛みや違和感を感じたりします。
膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)は膝蓋骨の裏側にある軟骨がすり減り、炎症を起こし、軟骨自体が軟らかくなり変形する病気です。
症状としては、皿の部分を押したときの痛み、ひざを動かすときにゴリゴリと音がしたり、きしむ感じがするなど動きへの抵抗を感じるようになります。原因はひざの使い過ぎや外傷、また筋力不足や不自然な歩き方、内股などによります。若しい女性の方に多く発症する傾向があります。
膝蓋骨と大腿骨の間にはタナと呼ばれるひだ状の膜があります。このタナが炎症を起こす疾患をタナ障害と言います。
動かすときに痛みや抵抗感を生じます。そのときコリコリと音がしたりします。これは炎症を起こしたタナが大腿骨と擦れあうためにおこる症状です。女性に多く発症する傾向にあります。
有痛性分裂膝蓋骨(ゆうつうせいぶんれつしつがいこつ)は読んで字のごとく、ひざの皿が割れて二つ以上になり、痛みを感じます。ひざの使い過ぎや強い衝撃を受けたときに割れたりしますが、ほとんどの場合生まれつきの形成不全となります。
関節水腫(かんせつすいしゅ)は俗にいうひざに水が溜まる症状のことを言います。これは関節内のすり減った軟骨や骨のかけらが刺激となり、関節液の分泌が過剰になることが原因です。ひざがぶよぶよとして皿の位置を特定しにくかったり、ぐらつきや不安定感があり、疲れやすくなります。
関節リウマチは関節の炎症により関節が壊れてしまう病気です。関節リウマチは全身の関節において発症しますが、ひざや手首の関節から始まることが多くあります。
これは人間が本来もっている身体を護るための機能である免疫システムの異常により発症する病気です。女性の方に多く発症する傾向にあります。
膝蓋骨の上部の痛み
ひざの上部から太もも、股関節に痛みを生じ、両足を動かしにくいなどの症状が表れたら、変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)の可能性があります。これは何らかの病気の後遺症として残ることが多いので、速やかに医師の診断を仰ぐことをお勧めします。
また膝蓋大腿関節症(しつがいだいたいかんせつしょう)の場合にも、ひざの上部が痛むことがあります。
膝蓋骨の下部もしくは内側の痛み
ひざを曲げたときに皿の下に痛みを感じたり、変形や膨らみなどの異常が見られるときには、オスグッド・シュラッテル病の可能性があります。
この病気はスポーツをする10代の成長期によく見られます。つまり成長期の不安定な時期に激しい運動により、骨に異常が生じることが原因と考えられています。
ひざの皿の内側が痛む症状を、ランナー膝(ランナーズニー)と言います。これはスポーツ選手や登山者などによく見られる症状で、太ももの外側のじん帯に炎症が起こるものです。主にひざの使い過ぎ、走り終えた後などに痛む兆候があります。
膝痛みへの対処法
外傷や運動のし過ぎによる膝の痛みに対しては、まずは安静にして冷やすことが大切です。腫れがひどかったり、激しい痛みを伴う場合にはすぐに病院へいきましょう。
変形関節症などの慢性的な痛みに対しては、温めて血行を良くすることが大切です。循環させることによって様々な機能が回復していきます。
ひざの痛みは出来るだけ動かしながら治していきましょう。痛いからと言って、運動を怠るとかえって悪化します。適度な運動が大切です。
まとめ
膝痛みの場所による病状と原因
膝皿(膝蓋骨)の痛み
膝蓋骨の上部の痛み
膝蓋骨の下部もしくは内側の痛み
膝痛みへの対処法