女性を中心として、高齢になるほど 膝痛 の 原因 として有病率が高まるのが変形性膝関節症です。歩行や階段の昇り降りの痛みに始まり、病態が進行すると日常生活での頻回な痛みや膝関節の可動範囲低下などを引き起こします。
この変形性膝関節症の病態、原因、症状を見てみましょう。
膝痛の原因となる変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症の病態
私たちの足は膝関節を挟んで、上側が大腿、下側が下腿と呼ばれます。大腿部には大腿骨という1本の大きな骨が通っており、下腿部は脛骨と腓骨という2本の骨で構成されています。膝関節はこのうちの、大腿骨と脛骨によって関節面を形成しており、曲げ伸ばしを行っています。
大腿骨、脛骨ともに、それぞれの関節面の表面は関節軟骨という軟骨に覆われています。この関節軟骨は、関節面の適合性を高め運動をスムーズにしたり、関節に加わる衝撃を吸収したりする作用を担っています。
また、関節内の滑膜からは関節液が分泌され、関節の動きを滑らかにする潤滑油としての役割や関節軟骨を栄養する役割を持っています。
変形性膝関節症は、この関節軟骨が摩耗して、すり減っていってしまうことで、膝の曲げ伸ばしが困難となったり、痛みを招いたりする疾患です。
変形性膝関節症の初期は、関節軟骨の軽度の摩耗から始まるものの、自覚的な痛みや動かしづらさというのは感じません。疾患が進行していくにつれ、関節軟骨がすり減り、大腿骨と脛骨の隙間である関節裂隙が狭くなっていくことで、痛みが出現するようになります。
変形性膝関節症の原因
変形性膝関節症は、関節軟骨の老化変化によって起こることが多いとされています。また、老化により関節軟骨の強度が低下していくとともに、長期間にわたる生活や労働によって膝関節への負担が積み重なっていくため、年をとるほど変形性膝関節症の発症リスクは高まっていきます。
さらに、肥満も膝関節にかかる負担を増やしてしまうため、変形性膝関節症になる危険性が高まります。
特に、変形性膝関節症になる方の特徴として、O脚の方に非常に多いことも挙げられます。これは、普段からO脚の姿勢をとっていることで、膝関節にかかる負担が内側に偏ってしまうことによります。
本来であれば、膝関節の関節面全体で支える荷重を、内側の関節軟骨のみで支えることになるため、関節軟骨がすり減るのが速くなってしまいます。
また、変形性膝関節症は、1:4の男女比で女性に多く発症するということも知られています。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症の主症状は、膝関節の痛みです。特に、変形性膝関節症の方に多いO脚変形をもつケースでは、内側の関節軟骨ばかりがすり減っていくために、膝関節の内側に痛みが生じることが多くなります。
変形性膝関節症の初期では、立ち上がり動作や歩き始め、階段の昇り降りなどにだけ痛みが出現するものの、すぐに消失します。また、長時間の正座やあぐらなどの姿勢の後には、痛みとともに膝関節のこわばりが出現し、膝が伸びづらくなってしまいます。
このような痛みやこわばりの出現に伴い、膝関節の腫れや熱感も現れ始めます。病態が進行すると、一歩ごとに痛みが出現するようになっていき、正座のような膝関節を大きく曲げた姿勢はとれなくなっていきます。
さらに、関節軟骨の摩耗や関節裂隙の狭小化が進行した末期には、歩いていない安静時にも痛みが治まらなくなってしまいます。歩行時の痛みも強くなり、手すりや杖なしでは歩くのが困難となってしまうケースもあります。
また、膝関節の変形が進行し、O脚がより顕著となったり、歩いているときに膝関節が外側にぶれるような異常歩行が出現したりします。また、膝を深く曲げることに加えて、膝をまっすぐに伸ばすことも難しくなるなど、膝関節の可動範囲も狭くなっていきます。
まとめ
膝痛の原因となる変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症の病態
変形性膝関節症の原因
変形性膝関節症の症状