最初は少し変な風にひねったかな、くらいの 膝痛み が徐々に悪化して気がついたら歩くのもつらい、という方はいらっしゃいませんか。
もしかしたらその 原因 は単にひねったのではなく、骨が変形してしまっているのかもしれません。その場合は、安静にしているだけでは治りませんので治療を受ける必要があります。
つらすぎる膝痛の原因は老化?
ひざがすり減っている可能性
「変形性ひざ関節症」というあまり耳慣れない疾患があります。原因は不自然な歩き方、太り過ぎ、老化、外傷などの原因からひざの関節軟骨が変形したりすり減ったりすることです。
まずは、ご自身が変形性関節症か否かチェックしてみましょう。
①両足を肩幅に開いて立ちます。
②ゆっくりと無理せずにひざを曲げてしゃがみ、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
③ ①と②の動作を3回ほど繰り返します。1回行うのもつらい方は、疑いの余地がほとんどありません。
繰り返すときにひざが痛かったり、音が鳴ったりする方も黄色信号です。
加えて、ひざの痛みを自覚していない潜在患者さんも多いのが心配なところです。自覚していない=初期症状の一歩手前で病院へ行き、治療を受けられれば理想的ですが現実的にはかなりむずかしいと思われます。
痛みのメカニズムは、軟骨が壊れる→軟骨がなくなって骨同士が擦れあう→骨がスカスカのいばら状になる、というものです。
初期の段階では、階段の上り下りや正座をしたとき、つかれてきたときなどに痛みを感じます。
中期に入ると、痛みが悪化したひざの腫れや変形がみられるようになります。また、歩くときに関節がきしむような音が気になったりします。
末期まで進行してしまうと、全症状が悪化し日常の動作も困難になり、メンタルストレスも大きくなります。できれば初期の段階で、大げさで恥ずかしいなどと躊躇せずに病院へ向かいましょう。
病院での治療法
大きく分けて、「保存療法」と「手術療法」があります。
手術はよほどの重度の患者さんでなければおすすめしません。ほとんどの患者さんは保存療法のリハビリ、薬物療法、装具療法でがんばっていただくことになります。
薬物療法は、ヒアルロン酸やステロイド剤の関節内注射→内服薬、座薬(消炎鎮痛剤、非ステロイド系)→非ステロイド系消炎鎮痛剤など、の順序で経過を診ます。
ただし持病やアレルギーをお持ちの方、妊娠・授乳中の方などは使用が制限されることがありますので、お薬手帳を持って病院へ向かいましょう。
医師と相談の上、治療法や開始時期を決定していくことになります。
装具療法は、まず病院で「サポーター」をすすめられることが多いと思います。店舗やネット購入も可能です。
サポーターはひざ関節の負担の軽減というよりも、関節の保温と安定感を生むというのがメインのはたらきです。
「足底板」は、初期から中期の段階に有効です。ひざの内側に掛かる負担を少なくして痛みを緩和します。
「機能的ひざ装具」は、ひざ関節の安定性を高めて痛みを軽減します。取り外しが簡単なものは、その分安定せず、反対に面倒なものは安定している上に高価格になります。
「杖」は、T字杖が定番です。体重を分散させ、歩くときにひざの痛みが楽になります。ただし、からだの一部のように使いこなせるようになるまでは、転倒防止どころか転倒の原因にもなりかねません。
ご自宅でのリハビリ
お風呂嫌いの方にはつらいかもしれませんが、湯船に浸かってひざ関節の負担を減らして周辺の筋肉を鍛えるのがいちばん長続きすると思います。
①湯船のなかで両足を伸ばして座ります。
②両足で浴槽の内側を5~10秒間押します。その際、呼吸を止めないようにしましょう。
③ゆっくりとひざ、足の力を抜きます。浴槽の広さによっては、ひざが曲がっても大丈夫です。ひと呼吸おきながら、10~30回ほどがんばってみましょう。
のぼせるほど、無理をすることはありません。
まとめ
つらすぎる膝痛みの原因は老化?
ひざがすり減っている可能性
病院での治療法
ご自宅でのリハビリ