胃潰瘍 というととかくストレスに弱い人がなるものというイメージを抱きがちかもしれませんが、実はほかの 原因 もたくさんあります。一度胃潰瘍を発症すると、再発しやすくなってしまいますので心して生活しなくてはなりません。
胃潰瘍になりにくい体質について考えてみましょう。
人のせいだけじゃない!胃潰瘍の原因は自分にもあった?
十人十色のストレス
「胃潰瘍になりそうだ」という冗談をよく耳にしますが、具体的に胃がどうなった状態であるかを説明できる方は少ないのではないでしょうか。
胃潰瘍とは、胃の粘膜や組織が傷ついた状態のことを指しています。正常のはたらきをしている胃の粘膜はたとえ強酸性の胃液が分泌されても傷つかないような防御作用をもっています。
しかし何らかの原因によってこの防御作用のバランスが崩れると、胃の粘膜が傷つき炎症を起こして潰瘍が生じます。
また胃潰瘍というと急に激しい腹痛が起こり吐血するようなイメージがありますが、大別して急性胃潰瘍と慢性胃潰瘍があります。
前者の主な原因はストレスのほか、喫煙、飲酒などの嗜好習慣によるものです。ストレス発散に好きなものをたくさん食べたりお酒を飲むのがご趣味の方々も多いでしょうが、度を越すとこれが胃の状態を悪化させます。
一般的に日本人の胃腸は強いものではありません。塩分の濃いもの、辛いもの、カフェインの摂取しすぎは胃腸をムチで打っているようなものです。
後者はピロリやヘリコバクターとよばれる菌によるところが大きいとされています。体内にはもともと必要な菌と不必要な菌が競合して住みついています。
体内を除菌すること
菌には善玉菌と悪玉菌が存在しますがヘリコバクターやピロリ菌とよばれる菌は、胃の粘膜の下部に住みついて胃に炎症を起こす原因となっています。
また胃がんとの関係もあると考えられています。ヘリコバクター、ピロリとよばれる菌はアンモニアを発生させることができます。アンモニアは胃酸の強い攻撃を弱めて中和させることによって、胃粘膜のなかで活動できるようになります。
ですから菌を一掃できれば良いのですが、日本人の多くはもともと体内にピロリ菌を放し飼いにしています。しかしながら普段はピロリ菌で炎症を起こしていると自覚していないケースが一般的で、胃潰瘍を発症して初めてピロリ菌の存在に気づくようです。
薬物療法で除菌することは可能ですが、その成功率は70~75%ほどで治療を受けるか迷うところです。除菌に成功したとしても一生効果が持続するわけではありませんし、除菌してかえって体調を崩すことも考えられます。
ピロリ菌は炎症を起こす原因にはなりますけれども、すべて除菌していなくなってしまうとほかの菌の侵入をたやすくしてしまう危険もあるのです。きれいすぎても良くないということです。
自分に少し厳しくなる
胃潰瘍を発症しないためには、とにもかくにも胃腸にやさしい主人になることがいちばんです。暴飲暴食や不規則な生活、過度の喫煙や飲酒は大敵です。ストレスの多いこと、衛生環境の悪いことも影響します。
食事に関しては、今までの量によっては腹八分どころか腹二部くらいにする必要もあるかもしれません。深夜にお菓子やラーメンを食べたくなったらココアやおうどんにするなどの工夫もしましょう。
本来は夜は内臓も休息する時間帯です。もちろん夜間にお仕事をされている方々は別として、朝起きて夜寝る生活をされている方はできる限りの早寝早起きを心がけるべきです。
ただし早く休もうと早食いをするのはご法度です。ゆっくり良く噛んで食べましょう。そのほうが消化に良いので寝つきも良くなります。休みの日まで平日と同じ時間に起床するのはストレスになるでしょうが、プラス1時間以内のお寝坊に留めるのが理想です。
喫煙は禁煙できるのであれば、ただちに実行するべきです。おタバコを吸っていて良いことは何もありません。タバコに含まれるニコチンは胃の粘膜の血流を悪化させて、胃の防御作用を低下させてしまいます。
お酒も休日は飲まない、外で飲まざるを得ないので自宅では飲まないなどのルールをつくるべきです。
胃潰瘍を治すためには原因となる生活習慣と向き合い、生活態度を改めることが根本的な基礎治療です。
まとめ
人のせいだけじゃない!胃潰瘍の原因は自分にもあった?
十人十色のストレス
体内を除菌すること
自分に厳しくなる