胃潰瘍になると食べたいものが食べられず、ストレスでやせ衰えるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし胃潰瘍のときこそ、きちんと栄養を摂取して治癒力を高める必要があります。
胃潰瘍 の症状が悪化しない 食事 について考えてみましょう。
胃潰瘍のときは断食?食事で気をつけること
ふだんより胃を労わる
胃潰瘍を発症した原因は人それぞれです。日頃の不摂生な生活がたたって胃が悲鳴をあげた、ストレスの多い日々で胃の機能が低下したなど個人個人の事情があります。
胃潰瘍になった胃は破損して心もとない状態です。そこにいつもどおりの調子で食べ物や飲み物が流れてきたら、とても対応しきれません。
ケガをしているときに安静にしているように、胃潰瘍のときも胃を安静にそっとしておいてあげるのがいちばんです。
最も初歩的ですがなかなかむずかしいのが、「ゆっくりかむ」ことです。早食いの習慣のついている方にはとても難題です。
お忙しいときなど一口50回もかむのは現実的ではありません。せめて15回はかむように心がけましょう。15回というと少なくきこえるかもしれませんが、数えてみるといつもの2、3倍かまなくてはならないと気がつく方も多いのではないでしょうか。
かめばかむほど食べ物は小さくなり、胃の消化活動が楽になります。またかむことで唾液が分泌されますが、唾液は刺激性の強い食べ物の刺激を抑えて包み込んでくれます。
よくかめば満腹中枢がはたらいて腹八分目で十分になります。
そしてできる限り規則正しく同じ時間に食事をとるようにしたほうが、治りも早くなります。バラバラの時間の食事にご自身はガマンできても、胃は耐えられません。
マイルドな食べ物
よくかめば何を食べても良いということはなく、消化機能やからだ全体が弱っていることを自覚しましょう。胃の粘膜を保護してくれるようなネバネバ系の食べ物をおかずに加えましょう。
納豆やオクラ、長芋や山芋、里芋などが手軽です。ご飯にタラコやキムチをのせて食べるのがお好きな方は、その量を3分の1くらいにして納豆ものせてはいかがでしょうか。
煮物をつくるのが面倒くさくて嫌だという場合は、芋ですから切ってお味噌汁に入れてしまっても十分ネバネバはあります。
ネバネバ系の食べ物はどうしても口にできないという方には、牛乳をお勧めします。
冷たい牛乳はお腹を壊しやすいので、ホットミルクにお砂糖やはちみつを混ぜても良いですし牛乳が苦手であれば少しジュースを混ぜると飲みやすくなります。
コーヒーや紅茶は刺激が強いのでカフェオレやミルクティーにするのはもう少し胃の調子が回復してからにしましょう。
また胃酸の分泌を抑えてくれる食べ物には、キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー、納豆などがありますし、胃の修復にはほうれん草やカボチャ、人参などが効果があるとされています。納豆汁に野菜を全部入れても良いでしょう。
調味料にも留意
胃にやさしい食べ物を油たっぷりに調理しては、全くやさしくありません。ふだんは大きくきったほうが栄養価が高いのですが、胃潰瘍で療養中の身には食材は「小さく、やわらかく、油少なめに」が基本です。
調理には調味料を一切使用するなとはいいませんが、使わないに越したことはないでしょう。控えたほうが良いのは胡椒や唐辛子などの香辛料や食塩です。
塩辛やお漬物など塩分の多いもの、甘いもの、酢の物など酸味の強いものも胃をびっくりさせてしまいます。
甘いものや酸味の強いものには果物も含まれます。1日に一度は甘いものやしょっぱいものが食べたいという場合は、少しだけよくかんで唾液で包んで胃に送るようにしましょう。
アルコールや炭酸飲料、コーヒーを調味料として使用することもありますが胃潰瘍の治療中は控えましょう。もちろんそのまま飲むのもしばらくやめたほうが良いです。
アルコールは胃酸の分泌を促してしまいますし、コーヒなどは胃の粘膜を傷つける恐れがあります。そして胃が最も治癒するのは寝ている間です。
したがって就寝前の食事はもしどうしても食べたいのであれば、素うどんのような軽いものをよくかんで食べるようにしましょう。
まとめ
胃潰瘍のときは断食?食事で気をつけること
ふだんより胃を労わる
マイルドな食べ物
調味料にも留意