ご家族がご自身でうつ気味だなと感じて心療内科などを受診したら、 自律神経失調症 と診断され早速 薬 を処方されて帰宅してきた場合、身内の者は今後どうすれば良いのか心配になることでしょう。
自律神経失調症の回復には周囲の理解と協力が不可欠です。薬物の理解を深め、見守りましょう。
自律神経失調症は薬を飲めば元気になる?
服薬の前にできること
心の病を疑って病院へ行くと、十中八九病名を言い渡されて次から次へと薬を処方されてしまう危険性があります。自律神経失調症の薬というのは病を治すものではなく、症状を緩和させるためのものであると忘れてはなりません。
病院へ向かう前に、信頼できるひとに悩みを聞いてもらったり運動をしてみたり、自然の多い場所へ遠出をしてリフレッシュしたりといろいろできることはあります。
薬は気休めの面もあり、例えばホットミルクを薬といわれて出されて飲んだら気分が良くなることもあるでしょう。ある程度、自然治癒を試みたが効果がみられなかったときに始めて、病院のお世話になるべきです。
自律神経失調症の治療は最初に薬物治療を施して症状を和らげた後に、心理療法などを行うのが一般的です。
最初に処方されるのは「抗不安薬」のケースが多いです。筋肉の緊張をほぐし不安を取り除いて心身ともにリラックスできる効果があるとされています。主な原因がストレスの患者さんにメインの薬として処方されます。
薬には作用の弱いものではリーゼ(一般名クロチアゼパム)など持続時間の短いものから、メレックス(メキサゾラム)のように長時間持続するものまでさまざまです。
作用が中程度ではコレミナール(フルタゾラム)、メンドン(クロラゼプ酸二カリウム)など、作用が強いものではデパス(エチゾラム)、レスタス(フルトプラゼパム)など多種多様にありますが、帰宅して調べてみたらいきなり作用の強い薬を処方されたと気づいたら、病院を変えることをおすすめします。
周囲の理解も大切
健康な方からすれば、「睡眠導入剤」などまゆつばではないかと訝しく思われるかもしれませんが、眠れないことのストレスは大きいものです。不眠症を訴えるとおそらく処方してもらえます。
効果の持続時間が短いものにはハルシオン(一般名トリアゾラム)、中程度にはエリミン(ニメタゼパム)、長時間はドラール(クアゼパム)などがあります。からだが慣れてくると効果が弱まり、どんどん量が増えてしまうことは何としても回避すべきです。
「自律神経調整薬」は、交感神経と副交感神経のバランスを整えます。腰痛や高血圧など体質的に自律神経が乱れやすい患者さんや、心身のうちからだの症状が軽めの患者さんに処方されます。
グランダキシン(一般名トフィソパム)は、交感神経が高まって起こる頭痛、肩こり、手足の冷えを緩和します。注意点は、眠気を伴いますので服用後は乗り物や機械類の運転操作はしないことです。病気であっても社会活動に参加する以上は、周囲に迷惑をかけないことが最低限の責任です。
薬に依存しない
「抗うつ薬」はうつ病の患者さんの治療に使用されますが、自律神経失調症の患者さんにも抑うつ感、不安感、落ち込み、無気力、イライラ感などの症状があれば処方されます。つまり大抵の患者さんがお世話になります。
三環系抗うつ剤のトラフニール(イミプラミン)は抗うつ気分や不安感の解消に一役買います。お子さんのおねしょや夜尿症の改善にも用いられますので、からだにやさしい薬かと思いきやそうでもありません。
副作用は、ふらつき、眠気、口の渇き、けん怠感、目のかすみ、不整脈、排尿障害、頻尿、便秘など盛り沢山です。これら全ての症状に襲われるというよりは、体質や体調の弱いところを突かれるといったところです。
薬をやめたら全てが良い方向に向かうケースもありますので、医師のいうことを鵜呑みにしては危険であることを覚えておいてください。
まとめ
自律神経失調症は薬を飲めば元気になる?
服薬の前にできること
周囲の理解も大切
薬に依存しない