自律神経失調症 というと、うつ病が悪化したようなイメージを持たれている方も多いことでしょう。毎日お薬を飲んでだましだまし生活するしかないとあきらめる前に、生きる事の基本である 食事 の内容を見直すことをご提案いたします。
まさか?自律神経失調症の原因が食事にあった?
栄養不足がストレスに?
自律神経失調症は、栄養失調のみが原因で発症することはありません。皆さんもお察しのとおり、まずは精神的なストレス、肩こり腰痛などから始まった血流の悪化や身体のゆがみ、人ごみや排気ガスなどの環境ストレス、気候の変化によるストレスなどが総合的にその人の耐久力をオーバーしたときに発症する可能性が高まるのです。
と同時に、生きるために食べるというより食べるために生きているともいえますから、栄養の偏りが生きる気力を左右することがあります。
たとえばあまりにも空腹な状態で「明日も1日頑張ろう」とはなかなか思えないように、栄養分をバランスよく摂取することは自律神経失調症の症状にも影響を及ぼします。ふだん栄養のバランスを気にせずに食べ物を口にしている方は、まずはビタミンの摂取から心がけましょう。
ビタミンAはお野菜のなかでも特にニンジン、トマトに多く含まれています。また、苦手な方が多いレバーにも少量でたっぷり含まれます。ストレスを感じると「副腎ホルモン」という物質が放出されるのですが、そのエネルギーがビタミンAなのです。
放出するエネルギー不足にならないよう、しっかりニンジン、トマト、オレンジのジュースなどを飲むようにしましょう。ビタミンB1が不足すると無意識のうちにイライラしたり集中力が欠けたり、注意力散漫になったり睡魔に襲われたりします。運転中に事故を起こす危険性も高まります。
納豆や豚肉など手軽な食品に含まれます。好みが合えば玄米や麦芽米なども良質な栄養素です。ビタミンB1は水溶性のため摂取しすぎても尿として排出されてしまうので、食べ過ぎても心配無用ですが胃腸のほうがたくさん働かざるを得なくなり、余分な疲労のもとになります。
前向きになる食べ物
大好きな美味しいものを食べても憂鬱な気分が晴れないのは、嗜好品の栄養素に偏りがあるのかもしれません。マグネシウム不足になると精神的に不安定になり、吐き気やおう吐、食欲不振、ふるえ、眠気の症状に悩まされるケースもあります。
お豆腐やがんもなどの大豆製品や昆布、ひじきを積極的に食べましょう。メインでなくてもご飯と豚カツのお供にすれば良いのです。お酒を飲むとマグネシウムが排出されてしまうので、多めに摂取してください。カルシウムはマグネシウムと二人三脚で働いていて、心臓のリズムを整えています。
不足すると手足のけいれんや不整脈が生じやすくなります。牛乳、チーズ、ヨーグルト、海藻類、ほうれん草、おからなどに多く含まれています。
穏やかになれる?
自律神経失調症を発症される多くの患者さんは、生真面目で責任感の強い方が多いようです。思いつめて自傷行為に走るケースと周囲に暴力を振るうケースなどさまざまですが、試しに亜鉛を意識的に多めに摂取してみてはいかがでしょうか。
亜鉛は脳の神経伝達物質を構成している重要成分です。そのため不足するとわかりやすく精神的に不安定になる方もいます。豆類、レバー、貝類を食べて「これで大丈夫」と言い聞かせるだけでも効果はあります。
また、鉄分不足の方も増えているようです。レバーやひじき、ほうれん草をもりもり食べなくても良いので、毎日1食に取り入れてください。レバーが食べられる方は、1日一口食べるだけで十分です。これで疲労や息切れが改善されます。
ストレス発散にとお菓子ばかり食べているとそれがかえって症状を悪化させていることも大いにあります。からだに良いものを食べて心身が身軽になったと実感できる頃には、自律神経もかなり整っていることでしょう。
まとめ
まさか?自律神経失調症の原因が食事にあった?
栄養不足がストレスに?
前向きになれる食べ物
穏やかになれる?