上顎洞 (じょうがくどう)とは、鼻の外側に広がる大きな穴(副鼻腔)のことを指します。風邪や虫歯などで炎症を起こしてしまうのが、上顎洞炎です。
今回は、上顎洞炎の原因や治療法についてまとめました。
上顎洞炎とは?原因と治療法についてご紹介
上顎洞炎とは
鼻の穴の奥には、左右に4つずつ空洞があり、総称して副鼻腔と呼ばれています。上顎洞があるのは、この副鼻腔のひとつであり、ちょうど頬の奥あたりです。
一般的には、8つある副鼻腔のうち、いずれかが炎症を起こすと副鼻腔炎と呼ばれていて、この言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。
上顎洞に炎症が起きてしまった場合には、上顎洞炎と言う場合もあります。
上顎洞炎の症状
上顎洞炎と言うとあまり聞きなれない方が多いかもしれませんが、上顎洞炎の症状は副鼻腔炎と似ています。
代表的な上顎洞炎の症状をまとめました。
- 鼻水や鼻づまりが長く続いている
- 歯が痛む
- 頭痛がする
- 目の奥に違和感がある
- 顔が痛い
- 黄色や緑色の鼻水が出る
- 口臭がある
上顎洞炎の原因
上顎洞炎になる原因は、主に2つあります。原因について詳細をまとめました。
鼻そのものが原因となっている場合
上顎洞炎の7割が、鼻そのものが原因となっている場合が多いとされています。この場合は、左右両方の上顎洞に炎症が起きることが多いです。
ウィルスや細菌の感染によるもの
鼻腔が、風邪やインフルエンザなどのウィルスや細菌に感染することがあります。このウィルスや細菌をうまく外に出すことができないと、上顎洞に炎症が起きてしまうのです。
アレルギーなどによる慢性鼻炎
アレルギーなどが原因で慢性鼻炎を患っている人は、副鼻腔の機能がもともと弱く、風邪をひくと上顎洞炎を引き起こすことが多いと言われています。
歯が原因となっている場合(歯性上顎洞炎)
上顎洞炎の3割が、歯が原因となっている場合が多いとされています。歯が原因となっているタイプは、歯性上顎洞炎とも呼ばれます。この場合、原因となっている歯がある上顎洞だけに炎症が起きることが多いです。
虫歯や歯周病
虫歯や歯周病が原因となって、上顎洞に炎症が起きているケースです。
歯と上顎洞は隣にあるため、虫歯や歯周病などにより菌が上顎洞に入ってしまうことがあり、上顎洞に炎症が起きてしまいます。
親知らず
親知らずがきれいに生えていない場合(例えば、親知らずが曲がって生えている、隣の歯に重なって生えているなど)は、奥歯に細菌がたまって上顎洞に炎症が起きやすくなります。
インプラント
インプラントとは、人工歯を顎の骨に埋め込むものです。このインプラントも、上顎洞炎を引き起こす原因として考えられています。
インプラントを埋め込む際に、誤って上顎洞に入れてしまったことで、上顎洞に細菌が入り炎症が起きてしまうのです。
上顎洞炎の治療法
上顎洞炎にかかってしまった場合の代表的な治療法としては、以下のようなものがあります。
症状が軽ければ治療もすぐに終わりますが、長く続いている場合は治療も長引いてしまいます。
鼻そのものが原因となっている上顎洞炎の場合は耳鼻科を、歯が原因となっている場合は歯医者へ、なるべく早めに医師に相談するようにしましょう。
薬の使用
抗菌剤や抗生物質を内服したり、投与したりします。
鼻洗浄
鼻から入れた細い管に生理食塩水などを注入し、鼻洗浄を行う場合があります。歯が原因となっている場合は、歯を抜いた穴から洗浄を行うこともあるようです。
手術
炎症が長引き、たまった膿がポリープのように固くなってしまっている場合には、内視鏡手術を行う必要が出てきます。
歯の治療をする
上顎洞炎の原因となっている歯をレントゲンなどで特定したのちに、まず歯の治療を行うことが一般的です。同時に薬を内服する必要もあります。
歯の状態が酷い場合には、抜歯が必要となるケースがあり、その場合には抜歯した穴から上顎洞を洗浄します。
まとめ
上顎洞炎とは?原因と治療法についてご紹介
上顎洞炎とは
上顎洞炎の症状
上顎洞炎の原因
上顎洞炎の治療法