子供におこりやすいといわれている 上腕骨顆上骨折 は肘を伸ばしたまま手をついてしまうと肘に外力が直接加わるために起きるといわれています。この傷害の恐ろしいところは合併症です。合併症のみならず、骨折を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。
子供に起きやすい“上腕骨顆上骨折”とはどんな怪我?
上腕骨顆上骨折とは?
上腕骨顆上骨折とは、5歳から10歳代の子供によく起きる骨折です。肘関節周辺に起きる骨折のなかで上腕骨顆上骨折は約60%を占めているといわれています。
この傷害で注意すべき点は、合併症です。骨折のずれが大きい場合にとくに合併症が起きやすいといわれています。
合併症によりどのような障害を受けるのかというと、腕には尺骨神経と橈骨神経という神経が指先まで通っているのですが、骨折のずれが大きくなってしまうと、この神経を骨が圧迫してしまう状態になります。
この神経の圧迫により肘から指先にかけてのしびれや麻痺、循環障害がおきてしまうのです。
骨折のずれのほかにも、腫れがひどい場合にギプスや包帯をきつく巻いてしまうと、腫れの逃げる場所がなくなってしまうため、骨と皮膚に挟まれて神経が圧迫されてしまう、筋肉の血行が悪くなってしまうなどのさらなる合併症の原因にもなります。
なにが原因で起きる?
この怪我が起きる原因として、鉄棒やうんていなどの遊具から落下して肘を伸ばした状態で手をついてしまうことがあげられています。肘に外力が伝わることで骨折がおきるのです。
特にこの怪我が起きやすいといわれているのが、幼稚園児や小学生といわれています。
よくみられる症状
この傷害の顕著な症状として、肘の腫れや痛み、皮下出血、骨折した部分の異常な動きなどがあります。また、合併症がおきてしまっている場合には手や指先にしびれを感じる、手首の脈拍が弱く感じる、うまく手を動かすことができないなどの症状がみられます。
主な治療方法
怪我の損傷度合いにより治療方法が変わってきます。骨折部位にずれが見られない場合は、ギプス固定をして安静にします。
骨折部位にずれがあり、合併症を伴っている場合には、手術が必要になります。手術により神経や血管が骨片に引っかかっている部分をはずし、金属固定を行います。
適切な応急処置
上腕(肩から肘にかけての腕の部分)から手まで副木固定を行います。このとき、肘を90度にして固定します。副木がない場合にはダンボールや雑誌などでも代用が可能です。
また、患部を氷で冷やすことで炎症を比較的小範囲に抑えることができるため、おすすめです。
基本的には、骨折と思われる場合には、上記のような固定やアイシングの応急処置をしたうえで病院への受診といった流れでよいのですが、もし、骨折した部分の皮膚が避けた開放骨折になってしまった場合は、傷口から細菌などが入ってしまうと感染症にかかってしまう可能性もあり、一刻を争うことにもなりかねないので救急車を呼びましょう。
怪我の予防するためにできること
骨折はほとんどが予想をしていない状態でおきてしまうため、防ぎきれないことも多いです。しかし、足元に十分注意する、遊ぶ前には柔軟体操をすることによりある程度の予防をすることができるといわれています。
十分に気を付けていたとしても、怪我をしてしまうことはあります。そのときに、十分な応急処置や治療をほどこすことで1日でも早い完治、合併症の予防につながります。
痛みが強くパニックになることもあるかもしれませんが、落ち着いて患部の固定、患部の冷却を行いましょう。
また、手術については担当のお医者さんとしっかりと話し合い納得した上で手術、リハビリをおこなうことをおすすめします。
まとめ
子供に起きやすい“上腕骨顆上骨折”とはどんな怪我?
上腕骨顆上骨折とは?
なにが原因で起きる?
よくみられる症状
主な治療方法
適切な応急処置
怪我の予防するためにできること