多忙でストレスの多い生活をされている方々のなかには、お腹がゆるくなりやすくなっていらっしゃる方も多いことでしょう。その状態は 過敏性腸症候群 かもしれません。
病気ではないので、まずは市販の薬に頼る方がほとんどかと思いますが、根本的な解決にはなりません。リラックスして今後の対応を考えてみましょう。
過敏性腸症候群は薬だけでは治らない
病院で完治はできない
消化器内科を受診し、レントゲンや内視鏡、便の検査をしてみても異常が見つかることはありません。こんなにつらいのに異常なしと言われては余計に症状が悪化しそうです。
お腹が痛い→お手洗いへ、を繰り返しているとすぐに慢性化してしまいます。特に外出先では常にお腹の具合が気にかかり、ビクビク過ごしていると他の病気にもなってしまいそうです。
病院での治療は対象療法になります。根本的な治療法が確立されていませんので、薬で一時的に症状を緩和する治療が施されます。
緩和されて落ち着いた良い状態をからだや頭に覚えさせて、この状態がふつうなのだとイメージトレーニングを重ねながら服用すると効果が上がることでしょう。キリキリしながら薬を飲むのは心身ともに良いものではありません。
病院でよく処方される薬ベスト10
なかにはドラックストアで購入できるものもあります。その際は、必ず薬剤師さんに相談してから購入を検討しましょう。親切な知り合いに市販薬をもらったので服用してみる、というようなケースは避けたほうが無難です。
ビオフェルミン
聞き覚えのある乳酸菌製剤です。下痢や便秘による腸内細菌の乱れを整えます。
マグネシウム製剤
下剤(便秘薬)です。腸内の水分を保持して、便を柔らかくします。
ポリカルボフィルカルシウム製剤
水分を吸収する作用があり、便秘も下痢でも便の状態のバランスを整える効果があります。体内にはほとんど吸収されず、便と一緒に排泄されるため、一般に不副作用の心配がありません。1日3回、食後に服用します。
ジメチコン
腸内のガスを除去する消泡剤です。
ロペラミド
下痢止めのなかでは最も強い薬です。腸の動きを抑制してくれます。特にストレス性の下痢に良く効きますが、習慣性があるので長期服用はしないようにしましょう。1日1~2回服用です。市販薬の商品名はロペラマックサット・シグナル下痢止めです。
トリメブチン
消化器の平滑筋に直接はたらき、胃や腸の動きを調節してくれます。下痢にも便秘にも効きます。1日3回服用です。市販薬の商品名はパンシロントリムです。
ラックビー
ビフィズス菌製剤です。下痢や便秘による腸内細菌の乱れを整えます。
センノシド
腸を強く刺激する下剤(便秘薬)です。効果が比較的強いのですが、長期間服用すると効果が薄れてきます。
メペンゾラート/ピペタナート・アカメガシワ
消化器の動きを抑制し、下痢症状に効きます。1日3回服用です。
ピコスルファートナトリウム
下剤(便秘薬)です。効果は比較的緩和ですが、長期間服用していると効かなくなってきます。市販薬の商品名はコーラックソフト(ほかの名称もあります)です。
注意点と生活の改善
薬の効果を実感できない場合は、過敏性腸症候群ではなくほかの病気である可能性も出てきますので、病院へ行ったほうが良いでしょう。
また、尿が出にくくなる、口が渇くなどの副作用が出た場合は、直ちに服用を止めましょう。加えて、お車の運転前や高所など危険な場所でお仕事をされる方などは眠気やめまいといった症状に十分な注意が必要です。
そして薬を服用して落ち着きながら、生活の見直しを図りましょう。睡眠や食事は健康的でしょうか。いつもストレスでイライラしている方は、ウォーキングをして無心になるのもおすすめです。まずは健康になるのだという強い気持ちを持つことが何よりも大切です。
まとめ
過敏性腸症候群は薬だけでは治らない
病院で完治はできない
病院でよく処方される薬ベスト10
注意点と生活の改善