関節炎 とは外傷以外の何らかの原因で関節が炎症をおこし痛みや腫れがあらわれる病気です。関節炎にはいろいろな種類があります。発症年齢は子供からお年寄りまで幅広く発症原因もさまざまです。放置しておくと関節に負担がかかり変形して痛みがさらに強くなってしまいます。
関節炎は早期の発見・治療が重要です
関節リウマチ
関節炎の中で代表的なものに「関節リウマチ」があります。主に手指・足指・手首などの関節の痛みや腫れから始まることが多く、悪化すると関節が破壊されて変形してしまう病気です。30代以降の女性が発症しやすく、痛みは左右対称の関節におきることが多いです。
また天候や体調によって悪い状態と良い状態を繰り返すという特徴があります。痛みの原因は免疫機能の異常で、自分の体の成分や組織を敵と勘違いして攻撃をしてしまうことによる関節の炎症です。
発症の原因は完全には解明されていませんが、発症直後に急速に悪化することがわかっていますので早期に治療を開始することが重要です。治療せずに放置すると関節が動かせなくなり、いずれ車椅子や寝たきりの生活になることもあります。
変形性関節症
「変形性関節症」は関節軟骨がすり減ることで膝の関節や股関節、手首や指の関節などが腫れて痛みが生じる関節炎です。高齢者の特に女性に多く、慢性的に時間をかけて発症します。
関節リウマチが動かさなくても痛むのに対し、変形性関節症は関節を動かした時に痛みが生じます。痛み原因は老化や使い過ぎによってすり減った関節軟骨が炎症や変形をおこすことによります。悪化すると骨そのものの変形が生じて関節を動かすことが困難になることもあります。
手指の変形性関節症については、発症から2~3年で進行がとまり痛みも治まることが多いと言われています。しかし軟骨は一度すり減ると元に戻ることはありませんので、変形してしまった指の関節も元のきれいな形には戻りません。変形が進行する前の早期発見・早期治療が重要です。
若年性特発性関節炎
16歳未満で発症する関節リウマチを「若年性特発性関節炎」といいます。手首・足首・膝などの慢性的な関節の炎症により痛みや腫れがあらわれ動かしにくくなります。
全身型と関節型があり、全身型の場合は発熱や発疹を伴い重大な合併症をおこす可能性もあるのでより注意が必要です。
関節型には少関節型と多関節型があり、少関節型は4ヶ所以下の関節炎がありますが病状は軽く数年で治ることが多いです。眼の病気の合併がみられるので眼科の受診が必要です。多関節型は5ヶ所以上の関節炎があり、成人の関節リウマチと似た症状と経過をたどります。
若年性特発性関節炎には「だるさ」も症状としてでますので、家庭ではもちろん学校での生活にも理解とサポートが必要となります。
その他の関節炎
その他の関節炎としては「化膿性関節炎」、「感染性関節炎」があります。「化膿性関節炎」は関節内に細菌が侵入して化膿し、関節の激しい痛みと腫れを引き起こします。悪化すると関節が変形し動きなどに障害が残ることもありますので早期に診断し治療を行うことが重要です。
「感染性関節炎」は細菌やウイルスが血流を介して関節に入り感染を引き起こし、数時間から数日間で痛みや腫れ発熱が発症します。感染を起こした関節は数日で破壊されることもありますので、早期の治療開始が求められます。
関節炎との付き合い方
この他にも関節炎には多くの種類が存在し原因や治療方法も異なります。強い痛みを伴う場合は痛みをやわらげるために鎮痛剤が処方されます。鎮痛薬の長期服用は胃腸や腎機能の低下を引き起こしますので、他の病気を合併しないよう注意が必要です。
以前まで関節炎は発症すると悪化の一途をたどりいずれは動かなくなる病気と思われていましたが、現在は治療方法が発達し病気の進行を抑えることができます。早く治療を始めれば関節の機能をより多く残せますので、痛みや腫れを感じた時は早急に病院を受診することが大切です。
そして改善しないからと諦めず長い期間をかけてじっくりと治療をする必要があります。
まとめ
関節炎は早期の発見・治療が重要です
関節リウマチ
変形性関節症
若年性特発性関節炎
その他の関節炎
関節炎との付き合い方