関節が痛いというときには、まずその原因究明から始めなければなりません。頭痛や発熱をともなう場合には、風邪である可能性が高いでしょう。けれども発熱をともなう関節痛はほかにもありますし、 熱はない のに 関節が痛い !というケースもあります。それぞれについてご案内していきます。
関節が痛い!でも熱はない!ということは・・・
関節の痛みかたいろいろ
人の身体というものは、骨を基本として成り立ち、その繫がりと組み合わせによってさまざまな動きをこなせるように作られています。骨の繫がりの部分を関節と言い、それぞれの関節によって役割も可動域も変わってきます。
その中で特に負担が大きいとされ、痛みを訴える方の多いのが腰の関節です。
さらに膝関節や足首などは常に身体の重さを支えているために、特に負担の大きい関節と言えます。首関節も頭の重さを支えながら、さまざまな動きに対応しています。
寝違えや肩こりの痛み、手首や肘関節における腱鞘炎など、関節というものは常に負担を強いられ、何らかのダメージを受けています。
また、風邪をひいたときに関節が痛むのは、身体の免疫細胞が風邪ウイルスを追い出そうとはたらくためです。関節の痛みは、免疫機能による身体の防御反応によっても引き起こされることがあります。
このような免疫機能の過剰反応による自己免疫疾患を膠原病(こうげんびょう)と言います。関節リウマチは代表的な膠原病のひとつです。
熱の出る関節痛
風邪による発熱と関節の痛みは免疫機能がはたらいている証拠でもあります。同じように発熱をともなう関節の痛みの原因を探っていくと、いくつかの病名があげられます。
まずは膠原病(こうげんびょう)の中から、リウマチ、アレルギー性肉芽腫性血管炎、結節性多発動脈炎などがあります。膠原病の場合、関節痛、発熱の他に皮膚の湿疹や貧血、体重減少などの全身的な症状があらわれます。
膠原病でない、発熱をともなう関節痛といえば、痛風、偽痛風、化膿性関節炎などがあげられます。
熱の出ない関節痛
発熱をともなわない関節痛のうち膠原病(こうげんびょう)の部類に入るものは、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症、混合性結合組織病、シェーグレン症候群などです。
膠原病以外では、骨肉腫、変形性関節症などがあげられます。
熱の出ない関節痛への対処
関節が痛い!でも熱はない!というときには、どの関節が痛いのか?また直接的な外部刺激に心当たりがないか?過剰な負担をかけていないか?ということに加えて、併せて引き起こされる症状を注視しながら病名を探っていくことになります。
直接的な外部刺激に心当たりがあるとき、たとえば足首をひねったときのねん挫への対処としては、まず安静、冷却、できれば挙上と圧迫固定という応急処置とともに、速やかな医師への相談というプロセスをたどります。
急に過剰な負担をかけてしまうぎっくり腰などにおいても安静と冷却は必要です。もちろん病院、もしくは整骨・整体院での治療を必要とします。
熱の出ない関節痛の併発症状
関節が痛い!熱はない!両方の頬に湿疹ができるとなると全身性エリテマトーデスの可能性があります。また指先から皮膚が硬くなりこわばっていく症状をともなうと強皮症かもしれません。
口の中が乾いたり、味覚がわからなくなったりしたらシェーグレン症候群という病名があがります。
部位にかかわらず純粋に関節の痛みだけなら、骨肉腫、あるいは変形性関節症の可能性があります。
これらの病気は、素人判断でどうこうできるものではありません。特に骨肉腫などは、症状の進行や転移が早く、命にかかわることがあります。関節が痛い!でも熱はない!直接的な外部刺激もなく過剰な負担をかけた心当たりもない、というときには、速やかに医師の診断を仰ぎましょう。
まとめ
関節が痛い!でも熱はない!ということは・・・
関節の痛みかたいろいろ
熱の出る関節痛
熱の出ない関節痛
熱の出ない関節痛への対処
熱の出ない関節痛の併発症状