五十肩、四十肩ともいわれている 肩関節周囲炎 。自分はまだまだ若いと思っていても突然起こりますので要注意です。でも大丈夫、初期であれば完治します。慢性化そして持病にならないためにも、しっかり知識を得ておきましょう。
初期であれば完治します 加齢が原因の肩関節周囲炎
肩関節周囲炎とは
肩関節周囲炎は、加齢が原因とされていますが、なんらかのきっかけにより、突然、肩関節周辺組織の退行性変化が起こり、肩関節の痛みと運動障害を伴う疾患です。
骨自体が異常をきたしているわけではなく、あくまでも関節包、肩関節の周囲の筋肉に異常が出る症状です。
肩関節とは、肩甲骨と上腕骨がつくる主に5つの関節から構成されている肩甲上腕関節で、腕を上げるときに必要な関節です。発症年齢は40-60代で、肩の激痛、腕があがらない、といった状態になります。
症状
肩が凝るといった症状を経験した方も多いと思いますが、肩関節周囲炎はそれ以上に痛みが大変ひどく、激痛が走ります。激痛のためまったく肩を動かせない、夜も眠れない、といった人もおられます。症状の進行段階は以下の3つです。
急性期
激痛が起こります。これが炎症の引き金です。肩を動かすだけ、あるいは全く肩を動かさなくても激痛が走ります。これが2週間ほど継続します。
慢性期
痛みが徐々に弱まります。炎症は治まってきていますが、肩を動かすとまだ痛みがあります。この状態では、後遺症とよばれる肩関節全体の癒着が起こりはじめており、肩を動かす動作が鈍くなってきます。これが6ヶ月程度継続します。
回復期
炎症そして癒着が治まった状態です。痛みそのものはもう無くなっていますので、治ったと勘違いされますが、そうではありません。この時期から、肩の動きが非常に重く感じたり、肩がまったく動かせない、といった後遺症に悩まされることになります。
痛みの原因
痛みの主な原因は3つです。まず、上腕二等筋の腱の炎症、次に、上腕骨と肩甲骨の周辺筋腱組織の損傷あるいは断裂、そして肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう:骨と腱板の間にある液包)がうまく流れないです。
これらは、肩周辺筋肉の炎症、筋肉の衰え、腱の伸縮が無くなっている状態で、加齢のためこのような肩周辺筋肉と腱が衰えることで、激痛、動作が鈍くなる、あるいは動かせなくなる、といった症状を引き起こしています。
対策と治療
肩関節周囲炎になると、もう治らないのではないかと心配される方もおられますが、実は、急性期の段階で適切な治療をスタートすれば、完治します。後遺症も残りません。
そのためには、急性期、つまり痛い!となったら、すぐに医師の指示で痛みを緩和するアイシングを行ってください。このアイシングが痛みを取り除きます。
そして、慢性期にはいって痛みが治まってきたところで、リハビリに入ります。ここでしっかりリハビリをするかどうかで、持病になるか、完治するか、その分かれ目になります。
通常、もう年だから仕方ない、日常生活ではあまり困らないから、と治療すら諦めてしまう方が多いようです。また、激痛のため、ずっと安静状態を続けている方もおられますが、実は、そうしていると患部の筋肉が固まってしまうため、そのまま安静状態を保つことは逆効果です。
また、痛みをかばうため肩が内側に入るような体制をとり続けるようになり、そうするとそれが当たり前になってしまい、いわゆる持病になります。
そうならないためにも、痛くてもリハビリをしなければなりません。もちろん無理は絶対に禁物ですが、医師の指導のもと、痛みが出たときから、完治目指して行動してください。
日ごろから運動していても肩関節周囲炎になります
定期的に運動している方、若いときから運動している方、それでも、若いときと同じように運動していると、加齢による身体の衰えが加わることで、筋肉や腱に想像以上の負担をかけています。
日頃から運動をしていても、突然、肩関節周囲炎になります。テニスやジムなどで特に肩に負担がかかる運動を行っている方は、決して無理せず、また過信せず。もし痛くなったら、すぐにアイシング、そしてその後のリハビリをしてください。適切な治療を実践すれば絶対に完治します。
まとめ
初期であれば完治します 加齢が原因の肩関節周囲炎
肩関節周囲炎とは
症状
痛みの原因
対策と治療
日ごろから運動していても肩関節周囲炎になります