肩こり で悩んでいる方々の多くは、「たかが肩こりで病院に行くのは大げさだ。お医者さんに渋い顔をされるだけだ」などと考え過ぎて、 病院 へ行くのをためらっているのではないでしょうか。
しかし、実は肩こりは病気のサインである場合も多いことをご存じでしょうか。日常生活に支障をきたすほどの痛みではなくとも、気軽に受診してみましょう。
肩こりを病院で治療する(前編)
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肩こりは何科で診てもらうべきか
肩こりの症状は人それぞれですが、何科で診てもらえば良いのか分からず、結局病院へ行くのをあきらめてしまう方も多いかと思います。いわゆる一般的な「肩こりだけ」という場合は、整形外科を受診してみましょう。
次に、「肩こりと他の症状がある」という場合、例えば、強いしびれや痛みなども伴うものであれば、神経内科をお奨めします。その上さらに、肩こり以外の症状があまりにも重く、吐き気や強い痛み、しびれなどもある場合は、脳神経外科を受診されることをぜひご検討下さい。
ご自身の症状が何科に該当するのかよく分からず不安な方は、まずは整形外科を受診して、医師とお話ししながら、原因と治療法を探すと良いでしょう。
整形外科での治療法
「外科」というと手術をするのかと身構える方もいるかもしれませんが、いきなりそのようなことにはなりません。整形外科での肩こりの治療法は、牽引療法、温熱療法、薬物療法などが一般的です。
牽引療法は、四肢牽引療法、脊髄牽引療法に大別されます。さらに牽引方法によって直接牽引法と介達牽引法の2種類があります。
ただし、この療法はどちらも体を強制的に引っ張るというものですから、体質的に筋肉の反発が強すぎて、一層こわばりが強くなってしまう場合もあり、注意が必要です。また、虚弱者や高齢者、心疾患や肺疾患などをお持ちの方は施術を受けることができません。
温熱療法は、患部を温めることで血流を良くし、滞った老廃物を洗い流して慢性痛の改善を図るものです。血行を促進するために、蒸しタオルやホットパックを患部にあてて筋肉を弛緩させる治療や、赤外線照射などで身体の内部から温める治療があります。
患者さんにとっては、ご自身が何か特別なことをする必要がなく、多少の熱さに耐えることさえできれば、最も負担の少ない治療法です。病院に通うことをついつい後回しにせず、継続的に治療を受けることが効果的です。
薬物療法は、薬を服用して肩こりを治す方法です。ドラッグストアなどではなく、病院で処方される薬には、筋弛緩薬、ステロイド薬、抗うつ剤、漢方薬などがありますが、飲み薬の効果は個人差があります。
体調によって、昨日は効いたが今日はあまり効かないということもあるでしょう。「医師の先生が処方してくださったのだから」と過信するのは危険です。薬には副作用がありますので、ご自身の体調と相談しながら、用法用量と飲み合わせに注意して使用しましょう。
後編では、神経内科での治療法や脳神経外科での治療法についてご紹介します。
肩こりを病院で治療する(前編)
肩こりは何科で診てもらうべきか
整形外科での治療法