平成25年の国民生活基礎調査のうち、女性が訴える自覚症状の中で最も多いものが肩こりであり、男性では2番目に多い自覚症状でした。肩こりの原因は様々です。意外な 病気 が 肩こり の症状となって現れることがあるので注意が必要です。
肩こりの裏に潜む意外な病気
肩こりで確認したいこと
そもそも肩こりとは症状を表す俗称で、正式な医学用語ではありません。したがって一口に肩こりといっても、人によっては背中が痛かったり、腕がだるかったりと部位も幅広くなりますし、肩こりに伴う頭痛やしびれなどの症状もまた様々です。
この痛みが起きている部位や肩こりに伴う症状を確認することで、肩こりの背後にある副鼻腔炎や脳腫瘍、また神経や内臓の病気などを発見できる場合があります。
肩こりを伴う神経疾患
緊張性頭痛
肩こりを伴う神経疾患で最も多いものです。多くは、猫背の姿勢や前に首が突き出るなど継続的に無理な姿勢をすることで首や肩の筋肉が緊張することが原因となり、肩こりや頭痛が起こります。
改善するには姿勢を良くすることが大切です。胸を張って顎をひくように意識するとよくなります。常によい姿勢を維持できなくても、時々胸を張るだけで肩こりの改善につながります。
同時に起こる頭痛の症状は、後頭部を中心に締め付けられるような痛みがあり、トックトックという拍動は感じません。特徴は朝起きた直後に頭痛はなく、一日の後半になるほど、だんだん頭痛や頭重が強くなることです。
また片頭痛では、頭痛発作が起きていない間は肩こりやなどの随伴症状を含めてほとんど症状がないのに対して、緊張型頭痛では頭痛発作が起きていない状態でも肩こりなどの症状が継続します。
筋膜性疼痛症候群と筋繊維痛症
あまりなじみのない病気ですが、肩の痛みが強い人はこれらの疾患の可能性があります。症状は似ていますが、筋膜性疼痛症候群は痛む部位が限定され、筋繊維筋痛症は痛む部位が全身に広がっているという違いがあります。
頸部ジストニア(痙性斜頸)
頸部ジストニアとは、首がねじれて正しい姿勢が取れない病気です。脳の運動調節が障害されたことが原因で発症します。首が傾いている、右や左に向きにくいといった症状が現れる場合には、痙性斜頸が隠れていることがあります。
手根管症候群
中年期以降の女性に多く見られます。手首にある手根管というトンネルで神経が圧迫されるために起こります。多くの場合に肩こりが見られ、その他指のしびれや手の力が入りにくくなるという症状も見られます。
帯状疱疹
通常は発疹を伴いますが、皮膚に発疹が見られない無疹性の場合もあります。肩に発疹が見られなくても神経の走行に沿って皮膚表面にヒリヒリとした痛みがあれば帯状疱疹を疑いましょう。
肩こりを伴うその他の疾患
なで肩症候群
なで肩も肩こりの原因になります。いかり肩の人では腕の重みを骨格で支えることができますが、なで肩の人は、肩の筋肉に腕の重みがかかることで、常に引っ張られている状態になります。
また肩・腕の筋肉と共に、首から腕にかけての神経も引っ張られてしまうために、手のしびれや痛みといった症状が出る可能性もあります。なで肩の体格は直せないので、対処法としてはあまり重い荷物は持たないように注意することです。
重いものはキャリーバッグなどを利用して腕に負担をかけないようにし、日ごろから姿勢を良くするように心がけましょう。
歯ぎしり
夜眠っているときに歯を食いしばるため、あごの筋肉が必要以上に緊張し、頭痛や肩こり症状を感じます。歯ぎしりの特徴としては、朝起きた時が最も強く頭痛を感じることです。痛みがひどいため、目が覚める場合もあります。
強い歯ぎしりによって顎関節に負担がかかると、痛みが生じることや口が開きにくくなりこともあります。歯ぎしりによって歯自体がすり減るような場合には、歯を保護するためにマウスピースを使用することをお勧めします。
まとめ
肩こりの裏に潜む意外な病気
肩こりで確認したいこと
肩こりを伴う神経疾患
肩こりを伴うその他の疾患