日本人の1,000万人以上が問題を抱えていると言われている肩こり。腰痛と並ぶ、多くの現代人が悩まされている症状です。実はこの 肩こり の改善に役立つ 注射 があるのです。
神経ブロック注射やボトックス注射、トリガーポイント注射、筋膜間注入法など、肩こり解消の方法をご紹介します。
注射で治る?肩こり治療法
神経ブロック注射
坐骨神経痛や腰椎椎間板ヘルニアの治療などで、その名を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
神経ブロック注射は主にペインクリニックなどで行われる治療法です。これは、局所麻酔薬を神経の近くに注射することで、神経の興奮や痛みの伝達を抑制してくれます。
過度な肩こりは重苦しさだけでなく、痛みを誘発し、その痛みが刺激となることで、さらに筋肉の緊張が高まるという悪循環に陥ります。
神経ブロック注射によって痛みを抑制することで、筋肉への余計な刺激を与えることなく筋肉の緊張を緩めることが可能です。筋肉がほぐれると、血流が改善し、筋肉に酸素が供給されやすくなるほか、老廃物や乳酸などの代謝も良くなります。
神経ブロック注射は保険適用であるため、比較的安価で受けることができるのも魅力の1つです。
ボトックス注射
ボトックスとは、ボツリヌスという菌から抽出されるたんぱく質の一種になります。食中毒と関連することでも知られているボツリヌスですが、注射に使用されるのは完全に無毒化されたボトックスです。
ボトックスには、固くなった筋肉の緊張やこわばりを抑制する働きや、痛みを感じる原因となる物質を抑制する作用があります。特に、押すとコリコリとするような塊のある肩こりに対して、ボトックス注射を行うことで、ピンポイントでコリを抑えます。
美容整形の分野でも注目されているボトックス注射ですが、国内における認知度はまだまだ高いとは言えません。ボトックス注射を受ける際には、保険適用が効かないため、少し費用がかさんでしまうという問題点も挙げられます。
トリガーポイント注射
これは、局所麻酔薬をトリガーポイントと呼ばれる部位にピンポイントで注射する治療法です。
トリガーポイントとは、トリガーという言葉の通り、痛みの引き金となる筋肉の塊を指します。
肩こりは筋肉の使い過ぎなどの種々の原因によって、筋疲労の蓄積や筋血流の不足によって引き起こされます。こうして、緊張が高まり硬くなった筋肉の中には、コリコリとしたしこりのようなものが現れます。
この塊は、押圧することで、その部位だけでなく、離れた部分の痛み(関連痛)も引き起こすのです。
例えば、ひどい肩こりがある場合に、肩のしこりを圧迫することで頭痛が生じることがあります。これは、肩のしこりがトリガーポイントとなって、関連痛として頭痛を引き起こしています。
トリガーポイント注射では、このトリガーポイントに直接、局所麻酔薬を注射することで、痛みを抑制し、筋肉の緊張を緩和させます。体表からのマッサージでは十分に刺激しきれない深層の筋肉にまでも治療効果を与えることができます。
筋膜間注入法
これは、筋肉を構成している何千本もの筋線維を包む筋膜にアプローチをする治療法です。
水分を失い、粘度を増した筋膜は、皺がよってしまい、ほぐれにくくなります。これが、慢性的な肩こりの原因の1つであるとし、その筋膜の癒着の改善を促す治療法です。癒着を起こしている筋膜に対して、生理的食塩水を注射することで、失われた水分を補充し、肩こりを緩和します。
薬剤ではなく、生理的食塩水を使用していることから、副作用などの心配も少ない、安全な治療法でもあります。認知度はまだ、高いとは言えませんが、近年注目を集めている最新の治療手技です。
まとめ
注射で治る?肩こり治療法
神経ブロック注射
ボトックス注射
トリガーポイント注射
筋膜間注入法